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本能の赴くままに日記や小説を書いています。
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「えっ、大将!?なんで軍服なんか…」
「似合う?」
「おぅ!似合う似合う…って違う!!何で中佐の軍服なんか…」
「ハボック~?どした??」
「ブレタ…」
「ん?えっらいお若い(美人さんの)中佐だな。」
「あれ?エドワード君じゃないですか!!どうして軍服を?」
「何っ?!エドかっ?気付かなかったぜ…。ちょっと見ねぇうちにこらまたぁ…背ぇ伸び(て美人になっ)たな。」
「よっ、久しぶりぃ♪フュリー曹長だけだぜ…俺だってすぐに気付いてくれたの。中尉なんて一番最初、俺の事、女だって勘違いしたんだぜ~!」
「…ハボック。」
「言うな。どうせ、お前も思ったろ?俺とお前の違いはそれを口に出したか、そうじゃないか、だ。」
「今はこれでも准尉なんですよ。それよりエドワード君、軍に入ったの?」
「へへっ…実は-----じゃ~ん!!」
「じゃ~んって、手がどうしたよ…ってちょっ…手ぇ!?」
「エド…お前…」
「って事はアルフォンス君も?」
「当たり前!俺が戻っててアルが戻ってないわけないじゃん!」
「昨日教えてくれりゃあ良かったのに…」
「意趣返しだよ、いしゅがぇし~!!驚かそうと思って電話もせずに来たのにさ、逆に驚かされてちゃザマァねぇっての。」
「意趣返しって軍服も合わせて?」
「もちっ!!」
「…何で軍入ったのかは聞かねぇけど、ここ配属なんだろ?」
「そりゃね。」
「じゃ、これからもよろしく!!」
「その前に…目的達成、おめでとうございます。」
「うぉっ?!フィルマン准尉っ!いつの間に…」
「さぁ?因みに今は少尉ですよ。」



エドワードは持たされた鍵と目の前の無駄にでかい家を見比べて溜息をついた。
そして、その隣のこれまたでかい家を見て、これから自分がその家に住む事になると思うと憂鬱になる。
また、溜息をついて、エドワードは預かった鍵を使ってロイの家に足を踏み入れた。


「それで、エルリック中佐。君は今日、これからの予定は?」
「え?予定?…今日、一日使って家を探すつもりだったからなぁ。今から宿に戻るつもりだけど。」
エドワードの言葉にロイはにやりと笑うと、エドワードに何かを投げつけた。
エドワードは慌ててソレを受け取ると、ソレをまじまじと見る。
「鍵だよ。」
「そりゃ、見りゃわかるっつーの。」
「私の家のだ。」
「っつーのもわかるけど、何で俺に渡すわけ?」
その言葉を待ってましたとばかりロイが笑顔になる。
それは記憶をなくす前、何か企んでいる時に浮かべていた笑みに酷似していてエドワードは嫌な予感がした。
「今日は私の家に泊まりなさい。」
「ヤダね。」
予想通りの言葉にエドワードは即答する。
「せっかく知り合いの家があるのに無駄金を使うなんてもったいないじゃないか。」
「俺の金なんだから、あんたにゃ関係ねぇだろ。それに同じ錬金術師としての忠告。滅多な事で人を家に入れんな。技術盗まれても文句言えねぇぞ?」
エドワードの忠告にロイは目を丸くすると、次の瞬間、にっこりと笑った。
「君は別だろう?盗まれるって言ったって、君には盗んでもらわないと困る。でないと教えてもらえないからね。」
ロイの言葉は正論である。
何気に最初からいたホークアイが頷いているのを見てエドワードはそれこそ花のように綺麗に微笑むとパンッと手を合わせた。
「あら…」
「ほぅ…これは…」
エドワードが手の内側に保っている炎を見て二人は感嘆した。
綺麗な炎だ。
「まるで、君が目の中に飼っている焔のような…」
ロイの呟きは小さく、二人には聞き取れなかった。
「ま、専門職じゃねぇから、俺じゃ、せいぜいこの部屋燃やすのが限度かな?」
「それでも凄いわ!准将から空気の密度を調整するのは難しいって聞いてたけど、そうでもないの?」
「いや、難しいよ。いつかそこの無能を驚かせてやろうと思って練習して、この程度。あんな広範囲の錬成は極めた奴じゃねぇと無理だ。…こんな形で役に立つなんて思いもしなかったけどな。」
エドワードの言葉にそれほど無能でもなかったのか…とロイはホッとする。
しかし、同じ国家錬金術師であるエドワードができないような凄い錬金術を今の自分は取得できるのだろうか?そこが問題だ。
「…ともかく、今日は私の家に泊まりなさい。この頃、物騒だからね。」
「私もそれには賛成よ。嫌だと思うけど今日だけだから我慢してくれないかしら?」
「う~ん…大尉がそう言うなら…」
二人の言葉にロイは机の上に撃沈する。
何がなんでもこの扱いは酷すぎる。
「君たち…そんなに私は嫌な人間だったのかね?」
「いえ、そこまでは。あ、エドワード君。私もプライベートじゃリザで良いわ。」
「え?本当?何か、親密になった感じで嬉しいな♪」
「なら、私も名前で…」
「は?あんた、何言ってんの?『無能』って改名するなら呼んでも良いよ。」
ばっさり斬られてロイはいじけだす。
昔の私が何をしたかはともかく、今の私は悪くないじゃないか…
「んじゃ、先に行ってる。残業になんねぇようにしろよ、明日から錬金術の勉強すんだから。」
「…ハイ。あ、そうだ。家に何にもなかった気がするから何か買って食べてくれ。」
「何もないって…わかった、何か作って食うよ。」
エドワードの言葉にロイは驚く。
「君、料理できるのかい?」
「はぁ?当たり前だろ。これから一人暮しする奴が自炊できないでどうする。」
「あ、いや…以前の私も料理はからっきしだったようだから。」
エドワードはロイの言葉に呆れる。
あんた、錬金術師だろー?
「私も苦手なの。」
「え?リザさんも?じゃあ食べに来なよ!!腕を奮うからさ♪」
そう言われてホークアイは嬉しそうに礼を言った。
ただ、ロイの位置からは勝ち誇った笑みにしか見えなかったが。


と、いうわけでエドワードは少しの荷物と沢山の食材を手に、ロイの家に足を踏み入れたのだった。

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