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本能の赴くままに日記や小説を書いています。
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「ジェイド、街道を使う許可がおりたはずだが、ケセドニアで待機している部下たちに先に作業をするよう手配はしたか?」
「…いえ、まだ」
「なら、速い鳩を貸すから手配しておいてくれ。作業は早いに越した事はないからな」

ルークは謁見の間を出た後、扉の前に控えていたカイルを連れて屋敷に戻り、カイル含む特殊部隊に任務を申し渡した。
内容は謁見の間で決めた通りルークの護衛。
決行が明日という事で騎士たちは驚き、戸惑いながらも指示に従い荷造りをする。
ルークはというと手掛けていた書類をできるだけ処理し、当たり障りのない書類(でも結構重要)は信用している貴族を呼び出し引き継いでもらった。
そして、メイドに必要なものを詰めておくように言うと荷造りを終えたカイルを引き連れてジェイドの泊まる宿に訪れたのだ。

「経路について相談したくて来たんだ。海路と陸路、どっちにするつもりだ?一応、公式では海路を利用する事になってるけど…」
「そうですね…六神将や和平反対派による妨害を考慮に入れると陸路の方が好ましいですが…」
「つまり、陛下が手配した正式な部隊を囮にして俺らは陸路で確実に行くって事か?」
"ジェイド"が前回選んだ方法を言うとジェイドはあっさり頷いた。
今回のジェイドは厭味も言わないし、あっさりし過ぎてて気持ち悪い。
「…囮には公式で名が発表されているヴァン謡将に頼もうかと思っているんだが…」
「それが妥当ですね。彼も罪人ですし、襲われても返り討ちにする程度の力はある」
「カイルはどう思う?」
「私も同感です。囮に使うなら彼が適当でしょう」
カイルの返答にルークはしっかり頷く。
「なら、海路は陛下が派遣された部隊とヴァン謡将に、陸路はジェイドたちと俺と白光騎士とティアと…ガイ・セシルか…」
ガイの名にぴくりとジェイドとカイルが反応する。
カイツールで見た限り、ガイは公私の区別がつけられない。
連れて行くべきではない事は明白だ。
「ルーク様、ガイ・セシルも連れて行くのですか?畏れながら、彼は使用人として未熟です。彼を連れて行って恥をかくのは主人であるルーク様です。私は賛成できません」
「…わかってるよ、カイル。あいつの態度は屋敷の中だからこそ許されるものだ…いや、中でも歓迎されない態度だろうな。だから父上から言われた。最後の、チャンスだそうだ…父上が、道中で問題があったようなら解雇しろと…」
今までは屋敷の中だけだったから厳しいクリムゾンも目をつぶってきたのだ。
しかし、外でも同じ態度を取るというのなら話は違う。
そんな態度を取られて困るのはルーク…そして恥をかくのはファブレ家だ。
「そういう事に関して俺は甘いから決定権はカイル、お前に託すそうだ」
「私に、ですか?よろしいので…?」
決定権があるのならすぐにでも首を斬りたいと日々思っていたカイルである。
道中と言わず今この瞬間に解雇したいくらいだ。
「あぁ、任せる。ジェイド何か聞いておきたい事とかあるか?」
「いえ、特には…」
「じゃあ、ゆっくり休んでくれ。明日の朝、準備が整い次第、城の前に集合だ」
それだけ言うとルークはカイルを連れて屋敷に戻った。
念の為にジェイドの部下に鳩を送ったか確認してから…

「イオンは"前回"通り掠われるのかな…」
「ルーク様、何かおっしゃいましたか?」
「いや、気にしないで良い。独り言だ」


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