本能の赴くままに日記や小説を書いています。
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誰もいないのを確認してルークの腕を優しく掴む。
そして、手首に指を当て脈を計る。
それは彼が瘴気中和した次の日から続いている習慣だった。
「俺はジェイドが嫌いだよ。」
一瞬、何を言われたのかわからなかった。
「そうですか」とどうでも良さそうな声音で返事を返すのに少し間が空く。
だけど、この子は気付いただろう。
目が揺らでしまったのを…人の事には聡い子だから。
「あぁ、嫌いだ。だから、もう俺に関わるな。」
それは死刑宣告に近い言葉だった。
『構うな』ではなく『関わるな』…彼に関する事…つまり、私が夜中調べている音素乖離の研究から手を引けと言う意味だ。
しかし、ルークにとっては救いの言葉のつもりだったのだろう。
私が睡眠時間を削ってまで書物を漁ってる事に気付いているようだったから。
全く…
馬鹿だ、馬鹿だとは思っていたがここまで馬鹿だったとは…
自分はお前を嫌うからお前も自分を嫌え、と言っているのだろうけど、人の心(私に心があるかはともかく)はそう簡単に出来ていない。
それに、真顔で嘘を付けるようになったのはある意味喜ばしいが、嫌いと言う度に私より傷付いた目をしている事に気付いていないのだろうか?
「それは無理です。」
「私は貴方が好きですから。」
にっこり微笑んでルークの腕を掴んでいる手に力を込める。
すると、彼の目が驚愕に開かれた。
「…絶望をわざわざ知る必要はない。」
小さく呟かれた言葉は私の耳にしっかり届いた。
やはり知っていましたか…。
私が貴方を救う術を探し、見つけられない度に絶望を繰り返している事を…
だが、それでも止められるはずがない。
私は貴方の生を諦める事など、もう、出来ない……
「諦めませんよ。貴方を諦められるはずがない…」
「無理だ。」
「決め付けないで下さい。私はまだ絶望しきっていない。」
そうだ。
まだ、絶望しきっていない…まだ、ルークは生きてここにいる。
「私が絶望しきってしまうのは私の精神が死ぬ時ですよ。」
「死ぬって…」
「貴方が死ぬ時が私の死ぬ時です。」
本当は肉体の死も迎えたいのだが、それは貴方が救った…そして救うだろうこの世界を否定するように思えて出来ない。
しかし、私の精神は彼が消える時にきっと共に消えるか狂うかするだろう。
「なっ…俺はお前が嫌いだって言っただろ!ジェイドは自分を嫌ってる奴の為に死ぬつもりかっ!!」
あぁ…
また、傷付いてしまった。
だが、貴方が"嫌い"なんて言ったのは私が最初で最後かもしれないと思うと"嫌い"と言う言葉さえ愛しく思えそうだ。
貴方自身が傷付いてまで私に"嫌い"と言ってくれるのが嬉しい。
「えぇ。貴方は私を嫌いでも、私は貴方が好きですから。」
貴方には私の言葉が残酷に聞こえるでしょうね。
でも、きっと今しか言えない。
「止めろ…」
「嫌です。私は生きている限り、貴方が生きられる方法を探しますよ。」
貴方の死は私の死と同義語。
「貴方が死ぬなら私も一緒に死にましょう。それが認められないなら止めないで下さい。私は貴方と生きる道を私の為に探しているんですから」
矛盾しているのは承知している。
貴方が道連れなんて望んでないのも…
あぁ、だけど
「っ大嫌いだ、お前なんて!!!」
「好きです、ルーク。愛してます。」
貴方が愛しい。
貴方の喪失に私は堪えられない。
あぁ、私は既にレムの塔の時点で、どこかが壊れてしまったんだろう。
貴方に死を宣告した時点で私は貴方の喪失を感じ取って、狂ってしまったのだ。
「嫌われても、恨まれても良い。それでも私は貴方が好きです。」
何故だろう…
私の目には貴方しか映っていない。
しかし、好都合かもしれませんね。
私の世界にルーク、貴方以外何もいらないのですから。
「好きです」
そう言って抱きしめた身体は震えていた。
そして、手首に指を当て脈を計る。
それは彼が瘴気中和した次の日から続いている習慣だった。
「俺はジェイドが嫌いだよ。」
一瞬、何を言われたのかわからなかった。
「そうですか」とどうでも良さそうな声音で返事を返すのに少し間が空く。
だけど、この子は気付いただろう。
目が揺らでしまったのを…人の事には聡い子だから。
「あぁ、嫌いだ。だから、もう俺に関わるな。」
それは死刑宣告に近い言葉だった。
『構うな』ではなく『関わるな』…彼に関する事…つまり、私が夜中調べている音素乖離の研究から手を引けと言う意味だ。
しかし、ルークにとっては救いの言葉のつもりだったのだろう。
私が睡眠時間を削ってまで書物を漁ってる事に気付いているようだったから。
全く…
馬鹿だ、馬鹿だとは思っていたがここまで馬鹿だったとは…
自分はお前を嫌うからお前も自分を嫌え、と言っているのだろうけど、人の心(私に心があるかはともかく)はそう簡単に出来ていない。
それに、真顔で嘘を付けるようになったのはある意味喜ばしいが、嫌いと言う度に私より傷付いた目をしている事に気付いていないのだろうか?
「それは無理です。」
「私は貴方が好きですから。」
にっこり微笑んでルークの腕を掴んでいる手に力を込める。
すると、彼の目が驚愕に開かれた。
「…絶望をわざわざ知る必要はない。」
小さく呟かれた言葉は私の耳にしっかり届いた。
やはり知っていましたか…。
私が貴方を救う術を探し、見つけられない度に絶望を繰り返している事を…
だが、それでも止められるはずがない。
私は貴方の生を諦める事など、もう、出来ない……
「諦めませんよ。貴方を諦められるはずがない…」
「無理だ。」
「決め付けないで下さい。私はまだ絶望しきっていない。」
そうだ。
まだ、絶望しきっていない…まだ、ルークは生きてここにいる。
「私が絶望しきってしまうのは私の精神が死ぬ時ですよ。」
「死ぬって…」
「貴方が死ぬ時が私の死ぬ時です。」
本当は肉体の死も迎えたいのだが、それは貴方が救った…そして救うだろうこの世界を否定するように思えて出来ない。
しかし、私の精神は彼が消える時にきっと共に消えるか狂うかするだろう。
「なっ…俺はお前が嫌いだって言っただろ!ジェイドは自分を嫌ってる奴の為に死ぬつもりかっ!!」
あぁ…
また、傷付いてしまった。
だが、貴方が"嫌い"なんて言ったのは私が最初で最後かもしれないと思うと"嫌い"と言う言葉さえ愛しく思えそうだ。
貴方自身が傷付いてまで私に"嫌い"と言ってくれるのが嬉しい。
「えぇ。貴方は私を嫌いでも、私は貴方が好きですから。」
貴方には私の言葉が残酷に聞こえるでしょうね。
でも、きっと今しか言えない。
「止めろ…」
「嫌です。私は生きている限り、貴方が生きられる方法を探しますよ。」
貴方の死は私の死と同義語。
「貴方が死ぬなら私も一緒に死にましょう。それが認められないなら止めないで下さい。私は貴方と生きる道を私の為に探しているんですから」
矛盾しているのは承知している。
貴方が道連れなんて望んでないのも…
あぁ、だけど
「っ大嫌いだ、お前なんて!!!」
「好きです、ルーク。愛してます。」
貴方が愛しい。
貴方の喪失に私は堪えられない。
あぁ、私は既にレムの塔の時点で、どこかが壊れてしまったんだろう。
貴方に死を宣告した時点で私は貴方の喪失を感じ取って、狂ってしまったのだ。
「嫌われても、恨まれても良い。それでも私は貴方が好きです。」
何故だろう…
私の目には貴方しか映っていない。
しかし、好都合かもしれませんね。
私の世界にルーク、貴方以外何もいらないのですから。
「好きです」
そう言って抱きしめた身体は震えていた。
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