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本能の赴くままに日記や小説を書いています。
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「ルーク!無事でしたのね?心配しましたわ!」
港につくとナタリアが待っていた。
人目も気にせずルークに抱き着くナタリアにカイルは溜息をつきたくなる。
感動の再会は良いが、自国の兵だけでなく、この場にマルクトの人間がいるのに気付いてほしい。
普通、マルクトの人間がいるのなら挨拶くらいすべきだろう。
それも和平の使者だ、それくらいルークが送った手紙に書いてあったはずなのに…
「ナタリア…挨拶くらいしないと流石に失礼だろ?」
ルークはいつまで経っても自分を離さず、後ろで頭を垂れているマルクト軍人に目もくれないナタリアに少し呆れながらそう言うと、今気が付いたとばかり軍人たちを見つめた。
「まぁ、私ったら」
ごまかすように笑い、ルークから漸く離れるナタリア。
「ナアリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアですわ」
「ピオニー・ウパラ・マルクト9世の名代で和平の使者として参りました、ジェイド・カーティス大佐です」
「貴方が…ルークから手紙は受け取っておりますわ。明日、謁見の場を設けますから今日はお休み下さいまし。ルーク、叔母様が心配なさってましたわよ。早く顔をお見せになった方がよろしいですわ」
「ありがとう、ナタリア。セシル将軍、ホテルに案内してあげてくれるかな?それからティア・グランツの件はどうなってる?」
ルークがそう尋ねるとセシルは敬礼し、話し出した。
「罪人ティア・グランツに関しては大詠師モースに一任するよう申し遣っております」
「そうか…じゃあ、彼女の事も頼むな」
「はっ!…連れて行け」
セシルは後ろで控えていた部下にそう指示するとマルクト兵たちが拘束していたティアをその部下たちに引き渡す。
部下たちはルークとナタリアに丁寧に一礼した後ティアを連れてその場を辞した。
「ではカーティス大佐、俺はここで。セシル将軍にこの後の事は聞いて下さい。…和平が成立する事を願っています」
「ありがとうございます、ルーク様」
ジェイドと共に後ろにいるマルクト兵たちも深々礼をする。
ルークは"前回"と全く違うジェイドに内心苦笑しつつ、背を向けた。
「じゃあ、セシル将軍、後は頼んだ。ナタリア、行こうか?母上に早く顔を見せて安心させてやりたいし。カイルも」
「えぇルーク、早く参りましょう。将軍、護衛はいりませんわ。カイルがいますもの」
治安の良いとは言えないこの時期に王位継承者二人を一人で護衛するのは至難だ。
それを理解していないナタリアは護衛を断りルークを引っ張って歩き出す。
ルークは今度ははっきり苦笑して「すまないな、カイル」と小声で言った。
ルークと長い付き合いのカイルはやはりナタリアとも長い付き合いなので首を振り、護衛に徹する。
それを同情しながらセシルとマルクト軍人たちは見送った。



――あとがき―――――――――――――
ナタリア阿呆の子です。
カイル大変だなぁ、ルークは戦えるとは言え公爵子息(ってかこの話だとルーク自身子爵だけど)だから剣を抜かせるような事があったら責任問われちゃうしね
ナタリアの言った事に反論したら「役立たずですわね」とか言われそう、正論でも…
勘違い王女サマだし

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