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本能の赴くままに日記や小説を書いています。
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――だから、私が言います

『貴方は決して付属品なんかじゃない、日本を代表する素晴らしい俳優です。私が一番尊敬する役者です。意図したことじゃなくても、私を演技で魅了して、私に演技という道を示してくれた、私の光です。貴方が誰の子供であっても関係ありません。私が今まで見てきたのは、目指してきたのは“敦賀蓮”です。そして、これからも変わることはありません』

強烈な告白だった。
彼女にそんなつもりはないとわかってる。
一人の役者として、俺が作り上げた“敦賀蓮”を誰よりも認めているのだと、そう言ってるだけだとわかってる。
だけど、まるで愛の告白だっ!
役者としての“敦賀蓮”が俺の中で喜んでる、それ以上に、“俺”が君の言葉に喜んでいる。
君の中でこんなにも俺の存在が大きいのかと…こんなにも俺を求めてくれてるのかと…

「蓮」

「…」

「顔、真っ赤…」

「………言わないでください」

無表情で耳まで真っ赤になっている蓮に社は呟いた。
その社も蓮に負けず劣らず真っ赤である。

「…何か、愛の告白を盗み見た気分だよ……」

それも、すっごく熱烈な!と社が呟く。
いつもなら「ぐ~ふ~ふ~。だってさ!よかったねぇ、蓮くん?」とからかっていただろうが、そんな気力はない。
根こそぎその気力を少女に奪われてしまった。
それほど、熱烈で強烈で…蓮のマネージャーとして、蓮を知る個人として、嬉しい言葉だった。

「…ホント、キョーコちゃんのやることは想像ができないね」

「…そうですね。流石は、“もう一人のクオン”と言いますか…俺の心情をずばずば言ってのけた挙句、俺の欲しい言葉をくれるんだから……」

彼女こそ、光だ。
俺の心を照らして、俺の傷を癒してくれる、暖かな光…
俺の罪まで受け入れてくれたような気分になる。

――君の存在が俺を救ってくれるんだ…

昔も、そして今も…

『あと、それから…』

「ん?まだあるんだ」

『自分勝手で申し訳ないんですけど…敦賀さん』

「また蓮宛てみたいだな」

「なんでしょう?」

もう欲しい言葉は十分貰ったよ、最上さん。
それとも…君のことだから、最後にいらないオチをつけてくれるんじゃないだろうね?

『実は私、クー・ヒズリに最初、喧嘩を売ったんです』

「あれ?クーが“嫌な男”を演じるために喧嘩を売ったんじゃないのか?」

「俺もそう思ってました…俺が最上さんのことで動くと聞いて、嫉妬したから喧嘩を売ったのだと…あの人の愛は重いですから……」

だいたい、大喧嘩したこと自体、初耳だったんだけど?

『敦賀さんを誘き出すためにクーさんが敦賀さんを侮辱したので、つい』

つい?


『敦賀蓮は貴方を超える役者だから覚えておけ、って』


「~~~~~~~~~~~っっっ/////////」

何で君はそんなに俺の欲しい言葉をくれるんだ!
君はいつも何で自分の心が読めるのかって俺に訴えるけど、君こそ俺の心を読んでるだろう!!

『だから、敦賀さん。私の都合で申し訳ないんですけど、絶対にそれを証明してくださいね。クー・ヒズリだけでなく、世界に証明してください!貴方にならできると信じて…いえ、確信していますから!』

あぁ、もう、完敗だよ…
君は凄いよ…
君の言葉はプレッシャーになるような内容だっていうのに、そう言われてすごく嬉しいんだ。
父を超えてみせる…とずっと思ってきたけど、それを保証してくれる人なんて今までいなかったのに、君は保証してくれるんだな。
根拠のない言葉なのに、君のその言葉はとても心強い。

「れ~ん~」

「…何ですか?」

「お前が悶えてる間に放送、終わっちゃったぞ」

「えっ?!」

社にそう言われて、慌てて顔を上げると、画面はもう少女を映してはいなかった。
そのことにがっくしと肩を落とすと、調子を取り戻した社がにた~と笑う。
その手には携帯電話…もちろん、ゴム手袋をつけて持っている。

「安心しろ、蓮。今、松島主任に確認したら、この放送はちゃんと録画してあるってさ!だから、蓮用にダビングしてくれるように頼んでおいたぞ」

「…ありがとうございます」

「むふふ~、いいってことさ!」

お前の元気が出るならこれくらいお安いご用さ!と笑う社。
そんな社に苦笑して「ありがとうございます」ともう一度礼を言った。

「さて。キョーコちゃんにお礼を言いたいだろうけど、今電話するのはやめとけよ~」

「え?」

「キョーコちゃんのアレ、本人のそのつもりはなくても“愛の告白”にしか聞こえなかっただろ?そのことに関して事務所に質問が殺到してるんだと。それから、「うちの局でも敦賀蓮について語ってほしい!」って依頼も殺到してるみたいでね、今日一日ハードらしいから、かけても出れないと思うぞ」

「……そうですか」

「その代わり、明日会える時間作ってやるからな!」

さっき、明日には謹慎解くって社長からの伝言があったからな。
社はえっへんと胸を張ってそう言う。
蓮は「こんなに早く家から出れるとは思わなかったな…」とキョーコ効果に感心し、社に笑いかけた。

「お願いします、敏腕マネージャーさん?」

「おぅ!任せとけ!」


――今度は俺が勇気を出す番だよね、最上さん…?

 

 

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あとちょっと…

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