本能の赴くままに日記や小説を書いています。
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※エース救出後捏造
「ワニ~!」
「うっせぇ、懐くな」
――何だ、これ……
船長を除く麦わら一味の心は一つになった。
シャボンティ諸島で世界貴族を殴り、それがきっかけで王下七武海であるバーソロミュー・くまに飛ばされた船員たちは大きな怪我もなく、無事に再びシャボンティ諸島で合流した。
一人、有り得ないほどの方向音痴であるため合流が危ぶまれた者もいたが、"命の紙"―ビブルカードが示す方向に進めばいいだけだったからか、意外なことに一番最初に辿り着いたのはその方向音痴…ゾロであった。
その次はウソップ、次はサンジ…サンジの変わりようにゾロとウソップはドン引きしたが、次の日には戻ったため、他のメンバーが知ることはないだろう(ゾロもウソップも進んでその話をしたいとは思わなかったし)。
船員で最後に戻ってきたのはナミで、空島に飛ばされたらしい。
なるほど、最後になるわけだと納得したメンバーは残りの一人、自分たちの船長を待つことにした。
「全く…あいつときたら、一人で冒険しちゃって!」
「ふふっ…船長さんらしいと言えばそうだけど、蚊帳の外っていうのは少し悲しいわね」
「兄貴を助けるためだってわかっててもなぁ…」
ルフィが最近どこで何をしてきたのか…それは全員が知っていた。
ルフィ並に情勢に疎いゾロでも知っていた…なんせ、行く先々で話題にのぼっているのだ。
『インペルダウンに侵入・脱獄を果たし、脱獄囚たちを連れてマリンフォードでの"戦争"に参戦した革命家ドラゴンの息子、億超えルーキー"麦わらのルフィ"』
その"戦争"と呼べる戦いが起こってから数日経っているが、どこに行っても"白ひげ"や"海賊王"ロジャーの息子エース、元王下七武海クロコダイル、ジンベエ、革命軍イワンコフ、そしてルフィのことで話は持ち切りだ。
脱獄メンバーにかつての敵であるクロコダイルが入っていたのは心底意外だったが(なんせ死闘を繰り広げた相手だし、仲間だったビビの国を荒らした相手だ)、それだけ手段を選べなかったのだとわかる。
「ったく、あのクソゴム…戻ってきたら、一週間肉抜きだ!」
メシ抜きじゃないだけマシなのだろうか…
サンジの言葉に「そうしろ」と殆どの者が同意した。
「…なぁ、ナミ~」
「なぁに?」
「ルフィ、どうやって戻ってくるんだろ?」
「さぁ?"白ひげ"にでも送ってもらうんじゃないかしら?ルフィにとっては助けるのが当たり前でも、"白ひげ"からしたら仲間を助けるのを手伝ってくれた恩人になるわけだし」
チョッパーの問いにナミはあっさりそう答える。
「だが、それにしても遅くないか?マリンフォードからここまで一日かかるかどうかって距離だろ?」
フランキーの疑問にナミやロビンが同意する。
"戦争"が起こってから既に数日が経っている…もう、戻ってきてもおかしくないはずだ。
「ビブルカードを無くしたとか?」
「あー、ルフィならありそうねぇ」
「そしたら、合流できなくね?!」
「やばくねーか?」
「ん?何がやべーんだ?」
「だぁかぁら!ルフィと合流できなくなるかも…って、ルフィ!?」
何気なく会話に参加してきたため、スルーしそうになったが、聞き間違いようのない声にナミは驚き、思わず叫んだ。
ナミ以外のメンバーももちろん驚き、声のした方を見遣る。
そこには包帯だらけで決して無事とは言えないが、五体満足の姿でルフィが立っていた。
「にししっ!久しぶりだなぁ、お前ら!」
「『久しぶりだなぁ、お前ら!』じゃないわよ!あれから何日経ってると思ってるの!!」
「わりぃ、わりぃ。普通の経路で来たら海軍に捕まっちまうから、迂回してきたらしいんだ。あと、宴とかあったりしてさー」
そう言ってにこにこ笑うルフィの頭にゴツンッと拳…ではなく、見覚えのある金のフックが落ちた。
「てめぇはその間ずっと寝てた上、目ぇ覚めた途端、絶対安静って言葉無視してここに来たんだろーが」
自分も宴に参加したみてぇに言うんじゃねぇ、とその金フックの持ち主がルフィの後ろにある木の陰からすっと現れ、葉巻を銜えるながら言った。
そんな男にルフィは「言うなよー」とむぅっと膨れ、そんなルフィに男は喉で笑う。
そんな、傍から見たら仲よさ気な二人に船員たちは絶句した。
「あ、あんた…そいつ……っ!」
「おぅ!ワニだ!」
「なんでそんなに普通なのよ!そいつはアラバスタを…ビビの国をめちゃめちゃにしたのよ!あんただってそいつのこと…」
「もちろん怒ってるぞ!俺の仲間に手ぇ出したんだからな!でも、エースを助けてくれたんだ、こいつ」
だから、怒ってるけど嫌いじゃねぇ、と笑うルフィ。
そんなルフィの態度にも勿論驚いた船員たちだったが、何よりその内容に驚いた。
「はぁ?!このワニ野郎がお前の兄貴を助けただぁ!?」
「う、嘘だよな、ルフィ!」
「ホントだぞ!」
嘘に決まってる!と言う船員たちにルフィは笑顔で肯定する。
ルフィが必要のない嘘はつかないことを知っている船員たちは信じられないとばかりその男―クロコダイルを見た。
「ヨホホホホ、ところでそちらの方とは皆さんどういったお知り合いで?」
「確かァ、王下七武海だった奴だよな?」
クロコダイルとの関わりを知らない新たに仲間になったブルックとフランキーの二人は空気を読んで黙っていたが、過剰反応する他の船員たちの様子に訝り、そう問う。
「…私の昔の上司よ」
「おや、ロビンさんのですか?」
「えぇ。まだ彼が上司だった時に私は船長さんたちに会ったの。因みに、彼が捕まったのは船長さんたちが彼の悪事を暴いたからなのよ」
「ってことは、麦わらたちがそいつを牢獄にぶち込んだってことか?確か、海軍の手柄になってた気がするんだが…」
「海賊に国を救われた、なんて海軍の面目丸潰しでしょ?」
その言葉に、海軍お得意の捏造か…とフランキーとブルックは納得し、ルフィ以外が警戒しているその相手を見た。
新聞でも見た顔だ…実物は写真よりおっかない…しかし、どこか優しげでもある。
「…そんなに悪い奴には見えねぇけどな」
「………かも、しれないわね。私が知っている彼より穏やかになった気がするわ」
いつも纏っていた殺伐とした雰囲気が消えている…ロビンは目を細めながらそう呟いた。
「これも、船長さんの力かしら」
私も昔は誰も信用できなかったから…と微笑むロビンにフランキーやブルックはルフィを見る。
二人から見れば、まだまだ子供である船長だが、頑なだった心を解きほぐす力を持っていることを二人は知っていた。
「すげぇ奴だな、麦わらは」
「ヨホホ、全くです」
そんな三人の会話を聞いていたのかいなかったのか、今までナミ側の会話にもロビン側の会話にも加わらなかったゾロが閉じていた目を開き、クロコダイルを睨むように見た。
「…で、何でそいつがここにいる?」
嫌いじゃなくなった理由はわかった、しかし、ここにいる理由にはならない。
ゾロはそう言ってクロコダイルからルフィに視線を移す。
その問うような目にルフィはにかっと笑った。
「しししっ、仲間にしよーと思ってよー」
「「「「「「「はぁ?!」」」」」」」
「あらあら」
ルフィの爆弾発言に皆驚き、冷静なロビンもマイペースながらも驚き、ルフィを凝視する。
「何の冗談よ!?」
「冗談じゃねーよ。な、ワニ~!」
「うっせぇ、懐くな」
抱き着いてきたルフィを慣れた様子で引きはがすクロコダイル。
その光景はまるで兄に構ってほしい甘えたな弟と弟は可愛いけど素直になれないツンデレ兄だ。
――何だ、これ……
麦わら一味(船長除く)の心が一つになった。
皆、ルフィの人懐っこさは知っているが、ここまで懐くのも珍しい。
しかも、懐いている相手は好感度が最低ラインだった(と思われる)クロコダイルである。
「る、ルフィ…ほ、本気なのか?」
「あぁ」
「……そいつも了承したのか?」
「にししっ、了承させた!」
その言葉に皆クロコダイルを見ると、ふんっと不機嫌そうに鼻を鳴らすだけで否定はしない。
違うのなら、はっきり否定するはずだろうから、つまり、事実だということである。
「お、お前なぁ…そいつに殺されかけたのを忘れたのかよっ」
「忘れてないぞ?」
「ならっ」
「けど、気に入ったんだ!だから、仲間にする!」
そのルフィらしい言い分に一同は深々と溜息を吐いた。
こうなったら何を言っても聞かない…
「はぁ……あんたは本気なの?」
「…ついてこいと言われたから、ついてきた、それだけだ」
ま、飽きたらこいつをまた枯らすかもな。
そう言うクロコダイルにゾロはすっと目を細めて鞘に触れ、サンジはトントンと靴を鳴らし、ナミは一歩下がってゾロに場所を譲り、ウソップは火薬玉を握りしめる。
チョッパーはいつでも飛び掛かれるように足に力を入れ、ロビンは笑顔のまま腕を交差させ、フランキーはコーラをぐびぐびと飲み、ブルックはヨホホと笑いながら杖をカツンと鳴らす。
ルフィ以外が戦闘体勢を取ったその時、にししっとルフィが楽しげに笑った。
「嘘つきだな、クロコダイルは。んなことするつもりなら、最初からついてこねーだろ?」
「っ…」
ワニ、と呼んでいたルフィがクロコダイルと呼ぶ。
その意味を知っている仲間たちは入っていた力を抜いた。
ルフィ自身が意図して言っているのかはわからないが、ルフィは仲間と認めた者や余程親しい者しか名前で呼ばない。
たいていは勝手にあだ名をつけて呼んでいる。
そのルフィが"クロコダイル"と呼んだのだ、ならば認めるしかないだろう。
それに、名前で呼ばれたクロコダイルの顔を見てしまったら、警戒するのも馬鹿らしくなる。
「む、麦わら、てめぇ…」
「ん?どうしたんだ、クロコダイル?」
「っ……おい、そこの奴、笑うんじゃねぇっ」
顔を赤くして怒鳴り散らすクロコダイルに首を傾げるルフィと、その様子に耐え切れず笑い出す一同。
そんな一同につられてよくわからないまま笑い出すルフィに、わかんねぇのに笑うなとその頭を殴るクロコダイル。
どうやら、更に賑やかな航海になりそうである。
――――――――――――――――――
ワニを仲間に引き入れ隊!
海軍(+七武海)vs白ひげ(+脱獄組)が終わったら、ワニはどうするんだろ…
仲間にはならないってわかってるけど、夢を見たいので捏造しちゃいました☆
ワニが加わったらナミたちはハラハラしそうだけど、ルフィは普通に自分を枯らしたことのある手に触ったりすればいいよ。
で、ワニは戸惑ってればいいよ!(妄想乙
「ワニ~!」
「うっせぇ、懐くな」
――何だ、これ……
船長を除く麦わら一味の心は一つになった。
シャボンティ諸島で世界貴族を殴り、それがきっかけで王下七武海であるバーソロミュー・くまに飛ばされた船員たちは大きな怪我もなく、無事に再びシャボンティ諸島で合流した。
一人、有り得ないほどの方向音痴であるため合流が危ぶまれた者もいたが、"命の紙"―ビブルカードが示す方向に進めばいいだけだったからか、意外なことに一番最初に辿り着いたのはその方向音痴…ゾロであった。
その次はウソップ、次はサンジ…サンジの変わりようにゾロとウソップはドン引きしたが、次の日には戻ったため、他のメンバーが知ることはないだろう(ゾロもウソップも進んでその話をしたいとは思わなかったし)。
船員で最後に戻ってきたのはナミで、空島に飛ばされたらしい。
なるほど、最後になるわけだと納得したメンバーは残りの一人、自分たちの船長を待つことにした。
「全く…あいつときたら、一人で冒険しちゃって!」
「ふふっ…船長さんらしいと言えばそうだけど、蚊帳の外っていうのは少し悲しいわね」
「兄貴を助けるためだってわかっててもなぁ…」
ルフィが最近どこで何をしてきたのか…それは全員が知っていた。
ルフィ並に情勢に疎いゾロでも知っていた…なんせ、行く先々で話題にのぼっているのだ。
『インペルダウンに侵入・脱獄を果たし、脱獄囚たちを連れてマリンフォードでの"戦争"に参戦した革命家ドラゴンの息子、億超えルーキー"麦わらのルフィ"』
その"戦争"と呼べる戦いが起こってから数日経っているが、どこに行っても"白ひげ"や"海賊王"ロジャーの息子エース、元王下七武海クロコダイル、ジンベエ、革命軍イワンコフ、そしてルフィのことで話は持ち切りだ。
脱獄メンバーにかつての敵であるクロコダイルが入っていたのは心底意外だったが(なんせ死闘を繰り広げた相手だし、仲間だったビビの国を荒らした相手だ)、それだけ手段を選べなかったのだとわかる。
「ったく、あのクソゴム…戻ってきたら、一週間肉抜きだ!」
メシ抜きじゃないだけマシなのだろうか…
サンジの言葉に「そうしろ」と殆どの者が同意した。
「…なぁ、ナミ~」
「なぁに?」
「ルフィ、どうやって戻ってくるんだろ?」
「さぁ?"白ひげ"にでも送ってもらうんじゃないかしら?ルフィにとっては助けるのが当たり前でも、"白ひげ"からしたら仲間を助けるのを手伝ってくれた恩人になるわけだし」
チョッパーの問いにナミはあっさりそう答える。
「だが、それにしても遅くないか?マリンフォードからここまで一日かかるかどうかって距離だろ?」
フランキーの疑問にナミやロビンが同意する。
"戦争"が起こってから既に数日が経っている…もう、戻ってきてもおかしくないはずだ。
「ビブルカードを無くしたとか?」
「あー、ルフィならありそうねぇ」
「そしたら、合流できなくね?!」
「やばくねーか?」
「ん?何がやべーんだ?」
「だぁかぁら!ルフィと合流できなくなるかも…って、ルフィ!?」
何気なく会話に参加してきたため、スルーしそうになったが、聞き間違いようのない声にナミは驚き、思わず叫んだ。
ナミ以外のメンバーももちろん驚き、声のした方を見遣る。
そこには包帯だらけで決して無事とは言えないが、五体満足の姿でルフィが立っていた。
「にししっ!久しぶりだなぁ、お前ら!」
「『久しぶりだなぁ、お前ら!』じゃないわよ!あれから何日経ってると思ってるの!!」
「わりぃ、わりぃ。普通の経路で来たら海軍に捕まっちまうから、迂回してきたらしいんだ。あと、宴とかあったりしてさー」
そう言ってにこにこ笑うルフィの頭にゴツンッと拳…ではなく、見覚えのある金のフックが落ちた。
「てめぇはその間ずっと寝てた上、目ぇ覚めた途端、絶対安静って言葉無視してここに来たんだろーが」
自分も宴に参加したみてぇに言うんじゃねぇ、とその金フックの持ち主がルフィの後ろにある木の陰からすっと現れ、葉巻を銜えるながら言った。
そんな男にルフィは「言うなよー」とむぅっと膨れ、そんなルフィに男は喉で笑う。
そんな、傍から見たら仲よさ気な二人に船員たちは絶句した。
「あ、あんた…そいつ……っ!」
「おぅ!ワニだ!」
「なんでそんなに普通なのよ!そいつはアラバスタを…ビビの国をめちゃめちゃにしたのよ!あんただってそいつのこと…」
「もちろん怒ってるぞ!俺の仲間に手ぇ出したんだからな!でも、エースを助けてくれたんだ、こいつ」
だから、怒ってるけど嫌いじゃねぇ、と笑うルフィ。
そんなルフィの態度にも勿論驚いた船員たちだったが、何よりその内容に驚いた。
「はぁ?!このワニ野郎がお前の兄貴を助けただぁ!?」
「う、嘘だよな、ルフィ!」
「ホントだぞ!」
嘘に決まってる!と言う船員たちにルフィは笑顔で肯定する。
ルフィが必要のない嘘はつかないことを知っている船員たちは信じられないとばかりその男―クロコダイルを見た。
「ヨホホホホ、ところでそちらの方とは皆さんどういったお知り合いで?」
「確かァ、王下七武海だった奴だよな?」
クロコダイルとの関わりを知らない新たに仲間になったブルックとフランキーの二人は空気を読んで黙っていたが、過剰反応する他の船員たちの様子に訝り、そう問う。
「…私の昔の上司よ」
「おや、ロビンさんのですか?」
「えぇ。まだ彼が上司だった時に私は船長さんたちに会ったの。因みに、彼が捕まったのは船長さんたちが彼の悪事を暴いたからなのよ」
「ってことは、麦わらたちがそいつを牢獄にぶち込んだってことか?確か、海軍の手柄になってた気がするんだが…」
「海賊に国を救われた、なんて海軍の面目丸潰しでしょ?」
その言葉に、海軍お得意の捏造か…とフランキーとブルックは納得し、ルフィ以外が警戒しているその相手を見た。
新聞でも見た顔だ…実物は写真よりおっかない…しかし、どこか優しげでもある。
「…そんなに悪い奴には見えねぇけどな」
「………かも、しれないわね。私が知っている彼より穏やかになった気がするわ」
いつも纏っていた殺伐とした雰囲気が消えている…ロビンは目を細めながらそう呟いた。
「これも、船長さんの力かしら」
私も昔は誰も信用できなかったから…と微笑むロビンにフランキーやブルックはルフィを見る。
二人から見れば、まだまだ子供である船長だが、頑なだった心を解きほぐす力を持っていることを二人は知っていた。
「すげぇ奴だな、麦わらは」
「ヨホホ、全くです」
そんな三人の会話を聞いていたのかいなかったのか、今までナミ側の会話にもロビン側の会話にも加わらなかったゾロが閉じていた目を開き、クロコダイルを睨むように見た。
「…で、何でそいつがここにいる?」
嫌いじゃなくなった理由はわかった、しかし、ここにいる理由にはならない。
ゾロはそう言ってクロコダイルからルフィに視線を移す。
その問うような目にルフィはにかっと笑った。
「しししっ、仲間にしよーと思ってよー」
「「「「「「「はぁ?!」」」」」」」
「あらあら」
ルフィの爆弾発言に皆驚き、冷静なロビンもマイペースながらも驚き、ルフィを凝視する。
「何の冗談よ!?」
「冗談じゃねーよ。な、ワニ~!」
「うっせぇ、懐くな」
抱き着いてきたルフィを慣れた様子で引きはがすクロコダイル。
その光景はまるで兄に構ってほしい甘えたな弟と弟は可愛いけど素直になれないツンデレ兄だ。
――何だ、これ……
麦わら一味(船長除く)の心が一つになった。
皆、ルフィの人懐っこさは知っているが、ここまで懐くのも珍しい。
しかも、懐いている相手は好感度が最低ラインだった(と思われる)クロコダイルである。
「る、ルフィ…ほ、本気なのか?」
「あぁ」
「……そいつも了承したのか?」
「にししっ、了承させた!」
その言葉に皆クロコダイルを見ると、ふんっと不機嫌そうに鼻を鳴らすだけで否定はしない。
違うのなら、はっきり否定するはずだろうから、つまり、事実だということである。
「お、お前なぁ…そいつに殺されかけたのを忘れたのかよっ」
「忘れてないぞ?」
「ならっ」
「けど、気に入ったんだ!だから、仲間にする!」
そのルフィらしい言い分に一同は深々と溜息を吐いた。
こうなったら何を言っても聞かない…
「はぁ……あんたは本気なの?」
「…ついてこいと言われたから、ついてきた、それだけだ」
ま、飽きたらこいつをまた枯らすかもな。
そう言うクロコダイルにゾロはすっと目を細めて鞘に触れ、サンジはトントンと靴を鳴らし、ナミは一歩下がってゾロに場所を譲り、ウソップは火薬玉を握りしめる。
チョッパーはいつでも飛び掛かれるように足に力を入れ、ロビンは笑顔のまま腕を交差させ、フランキーはコーラをぐびぐびと飲み、ブルックはヨホホと笑いながら杖をカツンと鳴らす。
ルフィ以外が戦闘体勢を取ったその時、にししっとルフィが楽しげに笑った。
「嘘つきだな、クロコダイルは。んなことするつもりなら、最初からついてこねーだろ?」
「っ…」
ワニ、と呼んでいたルフィがクロコダイルと呼ぶ。
その意味を知っている仲間たちは入っていた力を抜いた。
ルフィ自身が意図して言っているのかはわからないが、ルフィは仲間と認めた者や余程親しい者しか名前で呼ばない。
たいていは勝手にあだ名をつけて呼んでいる。
そのルフィが"クロコダイル"と呼んだのだ、ならば認めるしかないだろう。
それに、名前で呼ばれたクロコダイルの顔を見てしまったら、警戒するのも馬鹿らしくなる。
「む、麦わら、てめぇ…」
「ん?どうしたんだ、クロコダイル?」
「っ……おい、そこの奴、笑うんじゃねぇっ」
顔を赤くして怒鳴り散らすクロコダイルに首を傾げるルフィと、その様子に耐え切れず笑い出す一同。
そんな一同につられてよくわからないまま笑い出すルフィに、わかんねぇのに笑うなとその頭を殴るクロコダイル。
どうやら、更に賑やかな航海になりそうである。
――――――――――――――――――
ワニを仲間に引き入れ隊!
海軍(+七武海)vs白ひげ(+脱獄組)が終わったら、ワニはどうするんだろ…
仲間にはならないってわかってるけど、夢を見たいので捏造しちゃいました☆
ワニが加わったらナミたちはハラハラしそうだけど、ルフィは普通に自分を枯らしたことのある手に触ったりすればいいよ。
で、ワニは戸惑ってればいいよ!(妄想乙
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