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本能の赴くままに日記や小説を書いています。
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「あ、あのさ…」

グランコクマのとある宿。
前日まで普段と変わりなかったルークが朝食を取るために集まった一同の前で、真っ赤な顔をして話を切り出した。

「どうしたんだ、ルーク?」

「そ、そのっ…~~~~~っ!やっぱ、無理!」

何かを言い淀んだルークは真っ赤な顔を更に赤くすると、後ろのドアを開き、ドアの向こうにいた人物の後ろに隠れた。

「あれ?フリングス将軍?」

「何でここに将軍が?」

にこにことドアの向こう側に笑顔で立っていたのは、若いながらも少将という地位にいる有能な軍人。
よく脱走するピオニーの尻拭いをしているアスランに暇なんて滅多にないはずなのに…とジェイドは怪訝そうに眉を寄せた。
他のメンバーも何故朝っぱらから宿にアスランがいるのかと不思議そうにしている。
そんな一同の疑問に気付いたのか、アスランは後ろで真っ赤になっているルークの頭をひと撫ですると、一同に向かって口を開いた。

「実は皆さんにお知らせしたいことがありまして」

「業務に関することですか?」

「いえ、個人的なことです。ですが、皆さんに知っていていただきたいと思いましたので…」

「ふ…アスラン、さん……」

ホントに言うの?とばかり不安げな表情をして、ぎゅっとアスランの服を握るルークに、アスランは安心させるように優しく微笑む。

「あら?ルーク、貴方いつの間にフリングス将軍を名前で呼ぶほど親しくなったの?」

「あ、えっと…」

「つい最近ですよ」

ね、ルークさん?と同意を求めるアスランにルークはコクコク頷く。
先日まで「ルーク殿」と呼んでいたはずのアスランが「ルークさん」と呼んでいることに気付いた一同はん?と首を傾げた。

「……それで、我々に知らせたいこととは?」

「あぁ、そうでしたね。…実は、この度ルークさんとお付き合いをさせていただくことになりました」

「「「「はぁ!?」」」」

アスランの爆弾発言に一同は目を見開き、声をあらげる。
そして、否定を期待してルークを見ると、ルークは真っ赤な顔で俯くだけでアスランの言葉を否定することはなかった。

「そういうわけですので、グランコクマにいらっしゃる際は私とルークさんの逢瀬の邪魔はなさらないで下さいね」

そう言いながらルークを抱き寄せると、「では、これからデートなので失礼しますね」と言い残して、ルークを連れて食堂を後にした。
残されたのは凍ったかのように微動だにしない一同。
その中で真っ先に我に返ったアニスは「ありえないぃぃい!!!」と叫び、宿の主人に怒られたのであった。



「上手くいきましたね」

「そうですね。てっきり「あはは、面白い冗談だねぇ」って笑い飛ばされると思ってました」

朝食を食べ損ねたルークのために喫茶店に入った二人は食後のティータイムを満喫しながらしみじみ呟いた。

「陛下が「俺とルークが恋人だってあいつらに言ってくる」と言い出した時はどうしようかと思いましたよ」

「俺もです。一日恋人のふりをしろって言われて、すっげぇ困りました…代わりに将軍が申し出てくれた時は神の助けだと思いましたよ」

「陛下に政務をサボタージュさせるわけにはいきませんからね。それから、ルークさん。今日は将軍ではなく、アスラン、でしょう?」

くすくすと笑うアスランにルークは顔を赤くして、すみませんと謝る。
アスランはそんなルークを愛しげに見つめると、そっとルークの頬に付いた食べかすを拭った。

「あ、すみま…」

「ルークさんさえよろしければ、ずっとアスランと呼んで下さいませんか?」

「え?」

「嘘を本当にしませんか、ルークさん?」

「ぇ、えぇ?!」

驚くルークにアスランはにこりと笑いかける。
その表情に嘘はなく、ルークは赤い顔で口をぱくぱくさせた。

「好きですよ、ルークさん」

「う…」

「嘘ではありませんからね?」

逃げ道を塞いだアスランは拭った食べかすをぺろりと舐めると、熱い視線をルークに向けた。

「とりあえず、今日はデートを楽しみましょう?行きたいところはありますか?」

「ぇ、えっと、俺はどこでも……」

「それでは、景色の綺麗なところにでも行きましょうか?実は、グランコクマを一望できるところがあるんですよ」

「え!そんなとこあるんですか?」

「えぇ。その後はチキンが美味しい店にでも行きましょうか。是非、ルークさんに食べていただきたいと思っていたんです」

「っ…////」

真っ赤なルークを見て「可愛らしい方だ」と呟いたアスランは立ち上がるとルークに手を差し出した。

「お手をどうぞ、ルークさん」

差し出された手を、恐る恐る握るルーク。
アスランは嬉しそうに目を細めると、「では、参りましょう」と歩き出した。


――嘘が真になるのは二人次第

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