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本能の赴くままに日記や小説を書いています。
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ノックが聞こえたので目が覚めていたルークは入室許可を出すとルーク付きのメイドが「失礼します」と礼を取ってから音を立てずに入ってきた。
「おはようございます、ルーク様」
「おはよう、ソフィス。気のせいかもしれないけど、いつもより早くないか?」
「いえ、気のせいではございません。公爵がお呼びです」
ソフィスの言葉にルークは「そうか」と呟くと立ち上がり、上着を羽織った。
「他に何か聞いてるか?」
「それが…共に登城するように、と」
「…へぇ。って事は軟禁の命が解かれたと解釈していいのかな?…まぁ、いいや。ソフィス、爵位を授かった時に戴いた子爵服を用意してくれないか?」
「既に」
ソフィスはそう言うと外に控えていたメイドを呼んだ。
そのメイドは黒の礼服を持ってルークの部屋に入り、その服をソフィスに渡すとルークに立礼をして下がった。
「ありがとう」
服を持ってきたメイドに礼を言うとそのメイドは頬を軽く染め「勿体ないお言葉…」と呟いた。
それが日常茶飯事なのでルークは特に気にしない。
「お手伝いした方がよろしいですか?」
普段ルークは一人で着替える。
主人の着替えの手伝いもメイドの仕事なのだが、慣れないルークが着替えは手伝わないでいい、と断ったからだ。
しかし、子爵服はいつもと勝手が違う。
なのでソフィスはわざわざ確認したのだ。
「あぁ、頼む。ボタン多くてわかりにくいんだよなぁ、コレ」
ルークは羽織った上着を脱ぎ、子爵服を見て苦笑した。
登城するなら正装しなくてはならないのだが正直なところこういう堅苦しい服は苦手なのだ。
「他は?登城する理由とか…」
「いえ…詳しい事は何も…」
「そうか…」
そう言いつつ、ルークには呼び出された理由がわかっていた。
親善大使としてアクゼリュスに向かえと言われる…あの悪夢の地へと。
ジェイドに会った時点で覚悟していた事だ、和平を理由にアクゼリュスに派遣される事は…
だが、やはり怖い。
「…どうかなされました?」
「いや、平気だ。…これでいいか?おかしいところは?」
一番上のボタンまでとめたルークはくるりと回ってみせる。
「…大丈夫です」
ソフィスはとめてないところやほつれているところがないか用心深くみたが見当たらなかったので表情を緩めて頷いた。
「じゃあ、行ってくるよ」
安心させるように笑うルークを見て、ソフィスは何故かルークが今にも消えてしまいそうな気がした。
「ルーク様!」
「ん?どうした?」
「待ってますから…必ず帰って来て下さい」
ソフィスがそう言うとルークは驚いたような顔をした後、嬉しそうに、だが悲しそうに笑った。
「ソフィスはやっぱりソフィスなんだな」
「え?」
「いや、気にするな。心配しなくても帰ってくるよ」
ルークはそれだけ言うと父が待っているであろう食堂に向かって歩き出した。
ソフィスはその後ろ姿を見ながら何も起きませんように、と心の中で願った。


――あとがき―――――――――――――
ソフィス漸く出せました。
でも、また出ない日々が始まります。
ってか女の子は難しい……

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「やっと休めるな」
ナタリアから開放され、シュザンヌの見舞いを終えたルークは苦笑しながら護衛として今まで付き添っていたカイルに話しかける。
カイルも苦笑しながら頷いた。
護衛失格である導師守護役のアニスとは違い、カイルは今までずっと寝ずの番を務めてきた。
時々、ルークに許可をもらい仮眠をした日もあるが、殆ど寝てないに等しい。
だが、ファブレ邸ならカイル以外にもルークを護衛の騎士が沢山いる。
なので安心して眠る事ができるのだ。
「それにしても良かった…罰を受けた人はいるようだけど暇を出された人はいなくて…」
ルークは見慣れたメイドや騎士たちの出迎えに自分の願いが公爵に聞き入れられたのがわかった。
実は鳩を飛ばす際に和平の事だけでなく、騎士やメイドの罰の軽減を願ったのだ。
勿論、カイツールでルークを掠われてしまったカイルの職務怠慢もお咎めなしにするよう頼んだ。
自分を掠ったのは六神将の一人だけど、彼は他の教団員の不敬の謝罪を含めて健康診断をしてくれただけだから罪に問わないでくれ、と。
それが聞き入れられた事を公爵本人に聞いている。
公爵はカイルより使用人であるはずのガイの様子に頭を痛めているようだ。
「…武力だけじゃなくて譜歌の対策も考えなきゃな。同じ事を繰り返すわけにはいかない」
「そうですね。譜歌を無力化できないか、譜術開発部に掛け合ってみましょう」
カイルは真剣に頷きながら応えた。
今回のティアの襲撃により、公爵が帰ってくるまでの短時間だが、ファブレ邸は無防備になった。
起きていたのは耐性のあったヴァンだけで、それでもふらついて戦力にならない。
そんな状況で反ファブレ派の人間が攻めてきていたのなら全滅していただろう。
そんな状況を二度と作らない為にも対抗手段を考え、譜歌に耐性をつけておかなければならない。
今回は守らなくてはならなかったルークからの減刑を願う手紙と襲撃された中、譜歌に対抗しルークについていったカイルの存在故に何とか首の皮一枚で繋がったのだ。
同じ事が再び起これば死罪もありうるのだ。
それほどルーク―王族―の存在は重い。
「まぁ、報告が済んだらゆっくり休め。何があるかわからないからな、いつでも対応できるように身体に休息が必要だ。睡眠不足は注意散漫を招いたり譜歌にかかりやすくなるからな」
「はい、心得ております。ご心配いただき誠にありがとうございます」
そう言って頭を下げるカイルにルークは軽く笑った。
「ガイ程とは言わないけど、もう少し砕けた口調を使ってもいいんだぞ。お前なら公私混同しないだろうし、父上にも許可は取ってあるんだからさ」
「勿体ないお言葉…しかし、私はルーク様の護衛である事を自負しております。その私がルーク様の非となる行動を取るわけには参りません」
相変わらずだなぁ、とルークは苦笑いをした。
初めて会った時から変わらない。
いや、その頃よりは気軽に話せるようになったが、カイルから敬語を使われる度ルークは自分とカイルの間に壁を感じるのだ。
仕方ない事だとわかっていても寂しいものは寂しい。
「ルーク様?」
「…いや、何でもない。俺は部屋に戻るよ。外に出ると言っても王には内緒でお忍びで城下に出た事があるだけだったからな。流石に疲れた」
そう言って笑うとルークは自分の部屋へと足を進めた。
カイルは何度か見た事のある寂しそうな笑みに戸惑いながらもルークの後ろ姿を見送り、姿が見えなくなってから公爵に報告をする為踵を返した。



――あとがき―――――――――――――
久々の更新!
因みに本編のように無理矢理突入したりせず正式な手順を踏んでいるのでルークが呼び出されるのは翌日ではなく翌々日です。
このルークはスレじゃなくて短髪だから仲間虐めはないと思いますが、王族としての自覚は芽生えてますので(だって繰り返してるから14歳だし)ティアが拘束された時点で前回がおかしかった事に気付いています。
でも、懐かしいなぁ…で済ましちゃいそうになるからカイルがいるのですが…
ソフィス(メイド)が出てこないっ!
どこで出せるかな?

今、無性にフリルクが読みたくてたまらない※受験生

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雨が降ったせいなのか今日の夕焼けがめっちゃ綺麗で、思わず写メっちゃいました♪

今日は文化祭準備でくたくたです…
誰か僕の代わりに委員長やって欲しいくらいでした。
家に帰ったらカンペを作んなきゃなんないしMDもダビングしなきゃだし……
まぁ、良い経験になるとは思いますけどね
文化祭は15日(土)にやります。
「いちひが」と言ってわかる人は是非来て下さい!!



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前に友達に貰ったお土産…
今は販売中止になってるから貴重な『白い恋人』です☆

腹壊さなくて良かった…



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色付け終了~♪
コピック苦手だから大変でした



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この間の土曜に東洋のオープンキャンパスに行ってきました☆
暑かった…
友達と二人で行ったんですけど、以前その子と他のキャンパスに行った時道に迷ったので今回は迷わなくって良かったね♪と二人で喜びました。

受験勉強しなきゃなぁと思いつつ頭が今ブリーチとナルトです
あぁ、書きたいなぁ



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文化祭用ポスター下書き段階。
色つけるのがめんどいデス



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最近、何故か白哉兄サマより浮竹さんのがツボですvV
白いのか黒いのかわからないとこがイイv
にこにこしててお菓子常備って設定からして好き!
二人とも最近出てきてないので出番が欲しいですっ!!




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今週のジャンプもイタナルでしたよね?
「お前と少し話がしたいだけだ」
ってなんか今から告白しますvって感じ(腐
なんて言ったのか気になるなぁ…



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「ルーク!無事でしたのね?心配しましたわ!」
港につくとナタリアが待っていた。
人目も気にせずルークに抱き着くナタリアにカイルは溜息をつきたくなる。
感動の再会は良いが、自国の兵だけでなく、この場にマルクトの人間がいるのに気付いてほしい。
普通、マルクトの人間がいるのなら挨拶くらいすべきだろう。
それも和平の使者だ、それくらいルークが送った手紙に書いてあったはずなのに…
「ナタリア…挨拶くらいしないと流石に失礼だろ?」
ルークはいつまで経っても自分を離さず、後ろで頭を垂れているマルクト軍人に目もくれないナタリアに少し呆れながらそう言うと、今気が付いたとばかり軍人たちを見つめた。
「まぁ、私ったら」
ごまかすように笑い、ルークから漸く離れるナタリア。
「ナアリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアですわ」
「ピオニー・ウパラ・マルクト9世の名代で和平の使者として参りました、ジェイド・カーティス大佐です」
「貴方が…ルークから手紙は受け取っておりますわ。明日、謁見の場を設けますから今日はお休み下さいまし。ルーク、叔母様が心配なさってましたわよ。早く顔をお見せになった方がよろしいですわ」
「ありがとう、ナタリア。セシル将軍、ホテルに案内してあげてくれるかな?それからティア・グランツの件はどうなってる?」
ルークがそう尋ねるとセシルは敬礼し、話し出した。
「罪人ティア・グランツに関しては大詠師モースに一任するよう申し遣っております」
「そうか…じゃあ、彼女の事も頼むな」
「はっ!…連れて行け」
セシルは後ろで控えていた部下にそう指示するとマルクト兵たちが拘束していたティアをその部下たちに引き渡す。
部下たちはルークとナタリアに丁寧に一礼した後ティアを連れてその場を辞した。
「ではカーティス大佐、俺はここで。セシル将軍にこの後の事は聞いて下さい。…和平が成立する事を願っています」
「ありがとうございます、ルーク様」
ジェイドと共に後ろにいるマルクト兵たちも深々礼をする。
ルークは"前回"と全く違うジェイドに内心苦笑しつつ、背を向けた。
「じゃあ、セシル将軍、後は頼んだ。ナタリア、行こうか?母上に早く顔を見せて安心させてやりたいし。カイルも」
「えぇルーク、早く参りましょう。将軍、護衛はいりませんわ。カイルがいますもの」
治安の良いとは言えないこの時期に王位継承者二人を一人で護衛するのは至難だ。
それを理解していないナタリアは護衛を断りルークを引っ張って歩き出す。
ルークは今度ははっきり苦笑して「すまないな、カイル」と小声で言った。
ルークと長い付き合いのカイルはやはりナタリアとも長い付き合いなので首を振り、護衛に徹する。
それを同情しながらセシルとマルクト軍人たちは見送った。



――あとがき―――――――――――――
ナタリア阿呆の子です。
カイル大変だなぁ、ルークは戦えるとは言え公爵子息(ってかこの話だとルーク自身子爵だけど)だから剣を抜かせるような事があったら責任問われちゃうしね
ナタリアの言った事に反論したら「役立たずですわね」とか言われそう、正論でも…
勘違い王女サマだし

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