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本能の赴くままに日記や小説を書いています。
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「彼らも例の擬似超振動の不法入国者です。捕えなさい!」
「ジェイド!?彼らに手荒な真似は…」
「大丈夫ですよ、イオン様。彼らが大人しくしてれば乱暴な真似はしませんよ。大人しくしていればね」
にっこりと微笑むジェイドにルークは疲れたように両手を上げ、カイルは憎々しげに睨みつけた。
「素直で助かります♪では、タルタロスにご招待しましょうv」
ルークたちは兵士に囲まれたままタルタロスに連行された。

連行された先には既にティアがおり、落ち着かない様子で椅子に座っていた。
ルークはその隣に座り、カイルは勧められたが辞退した。
「確認しますが、擬似超振動を起こしたのは貴方々で間違いありませんね?」
「…違うと言っても確信してんだろ?」
ルークの態度にティアが「ルーク!」と叱るように呼ぶが、カイルに睨まれて渋々黙る。
「えぇ、してます。…私はマルクト軍第三師団師団長ジェイド・カーティス大佐です。貴方はキムラスカ王族の方ですね?」
「「えぇっ?」」
同席していたイオンとその導師守護役であるアニスが驚いたように声を上げた。
「赤い髪と緑の目、キムラスカ王族の特徴です。お名前の方をよろしいですか?」
「ファブレ公爵子息、ルーク・フォン・ファブレ」
あっさり名乗ったルークにジェイドは渋ると思っていたので一瞬驚くが、再び胡散臭い笑みを張り付けた。
「それで、後のお二人は?」
「…私は神託の盾騎士団モース大詠師旗下情報部第一小隊所属、ティア・グランツ響長です」
「白光騎士団、カイル・ライラック」
戸惑いながらティアが名乗り、淡々と簡潔にカイルが名乗る。
「あの…白光騎士団とは?」
イオンがそう訊くとルークがにっこり笑って答えた。
「ファブレ家お抱えの私設騎士団だよ。カイルは俺専属の護衛騎士なんだ」
「きゃわ~ん!素敵ぃ~vV」
はしゃぐ導師守護役の姿にカイルが眉をひそめる。
導師守護役はいかなる時も導師を優先し、立場を考慮した発言をしなければならないはずだ。
それなのに…と同じ仕える立場として恥ずかしく思った。
「それでカーティス大佐。何故マルクトの軍艦に行方不明のはずの導師が乗っている?それに不法入国者を導師と同じ席につかせて良いのか?」
「えぇ!?もうそんな話になってるんですかぁ?」
「……」
問いの答えになっていない上、発言の許可を得てない導師守護役が答えてどうする。
問いにはジェイド・カーティスが答えるべきであり、答えるなら発言の許可を求めるべきだ。
神託の盾では軍人に礼儀の一つも教えてないのか?
カイルは不敬をつくすダアト軍人二人に抜刀しないように心を無にするよう努める。
「あの…ルーク。それは誰から聞いたんですか?」
イオンの問いにルークは訊かれた事を的確に述べる。
ルークからしてみれば"前回"と同じような流れなのでこれが"普通"なのだと思っており、それ故カイルの葛藤には気付かない。
「神託の盾騎士団総長ヴァン・グランツ謡将に聞いた。あの人とは師弟関係なんだ」
「はわぁ~、総長に?でも、それ誤解なんですよぉ~。公式にマルクトから頼まれてますし~」
「アニ~ス。駄目ですよ、そんな簡単に喋ったら」
軽い口調でアニスを窘めるとジェイドはルークを見た。
「我々は今、バチカルへ向かっています」
「まさか戦争を?」
今までカイルに睨まれて黙っていたティアが驚いて口を挟む。
戦争であれば平和の象徴でもある導師がいるのはおかしいとは思わないのか…とカイルは頭を抱えたくなった。
「違いますよ~、その逆ですって!」
「アニ~ス。貴女は口が軽いですねぇ」
「しかしジェイド。ルークに頼んでみてはいかがですか?」
イオンの言葉にジェイドはふむ、とわざとらしく考え込む。
「…そうですね。実は私たちは和平の為に動いているんですよ」
それがルークの問いの答えだった。
何故、マルクトの軍艦に導師がいるのか…和平の仲裁の為。
何故、不法入国者であるルークたちと尊い導師が同じ空間にいるのか…取り次ぎをしてもらおうと考えていたから。
つまり、キムラスカ王族の特徴を知っていたジェイドははなっから和平を取り持ってもらう為にルークをここに連れてきたのだ。
そこまで考えてカイルは何かがブチッと切れたような気がした。
「…ルーク様、発言の許可を」
「ぇ?ゆ、許す」
カイルの低い声に驚いて振り向いたルークはカイルの顔から表情が消えているのを見た。
カイルは素顔を曝している時はいつもにこにこしていた。
だが、飛ばされてからしかめ顔が多くなり、とうとう無表情…
ルークはその無表情を一度だけ見た事がある…だからそれは彼がかなりキレている証拠だと知っていた。
「カーティス大佐。ここの責任者は貴方ですか?」
「えぇ、そうですが?」
「今すぐ貴方の次に偉い方をこの場に呼んで下さい。でなければ、セントビナーで正式な手続きをふんで帰らせていただきます」
別に不法入国で捕まったからと言ってこのタルタロスでなければならないわけなどない。
マルクトの詰め所ならばどこでも良いのだ。
エンゲーブから少し行った所にあるセントビナーにある軍施設で正式な手続きをし旅券を発行してもらえば良いだけなのだ。
その本気が伝わったのかジェイドは近くの伝声管を手にとり「少佐、すぐに来るように」と言って再びルークたちの方を見た。
「これで良いですか?カイル・ライラック殿?」
「あぁ」
それ以降誰も喋らなかった。



---あとがき---------------------------
カイルがキレた?


拍手[6回]

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「ルーク様…お見事でした」
「いや、マジで説得が上手くいって良かったよな。無理かもって諦めかけたし」
はぁーと緊張がとけてへたりこむルーク。
カイルも気を張っていたようで、同じように座り込んだ。
ミュウは緊張し過ぎてへばっている。
「しかし、ライガクイーンが六神将『妖獣のアリエッタ』の育て親だとよくわかりましたね」
「あ~それ?出任せだよ。アリエッタが魔物に育てられたってのは有名な話だし、アリエッタの名前出せば、親じゃなくても上手くいくんじゃないかなぁ~って思ってさ。魔物って仲間意識強いし」
今言った事こそ口から出任せなのだが、それを知るよしもないカイルは流石はルーク様だと感心していた。
ほのぼのと会話をしていたが、流石にもうそろそろ戻らないとイオンたちが心配するだろうと二人して立ち上がった時、後ろに人の気配を感じ、二人は剣の柄に手をかけながら振り向いた。
「誰だ」
「いやはや…お二人とも気配に聡いですねぇ…」
「マルクト軍人?」
ルークはその姿を見て柄から手を放すが、カイルは柄を握りしめたまま警戒したままその軍人を見る。
「ルーク!カイル殿!」
「イオン様?何故貴方様がこちらに?」
イオンの姿にカイルは柄から手を放すが、警戒ら怠らない。
「すみません…帰りが遅いので心配になってしまって…。迎えに来たジェイドに無理を言って連れてきてもらったんです」
「そうか」
「それで…ライガクイーンはどうなりましたか?」
姿が見えないクイーンにイオンは不安そうに二人を見る。
「クイーンなら説得してキノコロードのある北の方の森に移ってもらった」
「本当ですか!良かった…」
安心したのかホッと息をついて頬を緩める。
「…そういえばティアは?」
「彼女なら先に森の外で待ってもらっていますよ。我々も行きませんか?」
ジェイドが食えない笑みを張り付けながらそう言うとカイルは更に警戒してジェイドを睨む。
ジェイドは気にせずにこにこして二人が動くのを待っている。
ルークは"相変わらず"性格悪いな、と思いながら歩き出した。
「先にクイーンの事を報告に行くからな」
「そうですのー!長老に報告するですの」
カイルはジェイドを一瞥すると歩き出したルークに続く。
それを慌ててイオンが追い掛け、最後にジェイドが薄っぺらい笑みを張り付けたまま歩き出した。



----あとがき--------------------------
まだチーグルの森…
進むの遅いなぁ
次はジェイドにツッコミをする予定
ジェイド好きさんはご注意下さい(いや、僕も好きだけど、愚かなジェイドも許容範囲なんです)

拍手[4回]


「ミュウですの!よろしくお願いしますですの!!」
うぜぇ……
"二回目"の出会いにも関わらず、ルークは同じ感想しか持ち得なかった…

「ライガ…ですか。危険過ぎます」
「だからって貴方はチーグルを見捨てるんですか!」
ティアの言葉に「ならお前一人でやれ」と言いたくなったが何とか堪えて、カイルは話を続けた。
「話を聞く限り、悪いのは森を燃やしたチーグルです。縄張りを荒らされたライガが怒るのも無理はありません。本来ならこの事は私たち人間が首を突っ込むべき事ではないでしょう」
「あぁ、確かにカイルの言う通りだな」
ルークが同意するとティアが反論しようとしたが、その事に気付いたイオンに手で征され、渋々口を閉ざす。
「しかし、ほっとけない事情があります。一つはチーグルによる食料泥棒、もう一つはここはライガが住むには人が住む所に近過ぎると言う事。だからライガには悪いですが、ここは討伐隊を組むべきです」
「けど、言っただろ、カイル。俺はそうさせたくないからここにいるんだ。カイルが何と言おうと俺はライガを説得に行くからな!」
そこまで想定してたのか…とティアとイオンは驚いてルークたち二人を見る。
「ですが…」
渋るカイル。
ルークとて危険なのは"身に染みて"わかっている。
だが、討伐されるわけにはいかないのだ。
「なぁ、長老」
「…なんじゃ?」
いきなり話しかけられて驚くが、それも一瞬の事ですぐに返事を返す。
「ソーサラーリングって、人間が付けたら魔物と喋れるのか?」
「…わからぬ。試した事がないからな」
「じゃあ、ちょっと貸してもらえないか?」
長老は少し考えると、ソーサラーリングをルークに渡した。
『通じますかな?』
「あぁ、わかる。じゃあさ、これ使ってライガ説得するから案内つけてくれないか?」
「ルーク様っ!」
身分がばれないように様付けはしないようにしていたのを忘れてカイルは叫ぶ。
しかしルークは冷静に答えた。
「お前が反対しようと俺は一人でも行くぞ、カイル」
揺らぎようのない声音にカイルは仕方ないと諦めた。
昨日と同じ事を繰り返している事に気付いたからでもある。
「ご冗談を。私もお共します」
「カイルならそう言ってくれると信じてたよ。あ、危険だからイオンはここで待ってろよな」
「しかしルーク…」
ついて行く気満々だったイオンは驚いて反論しようとする。
「道中はカイルにしか戦わせなかったけど、俺だって結構強いんだぜ?いざとなったらカイルが守ってくれるしな。だけどイオン、お前は体が弱いって聞いた。それに、ここに来る時言っただろ?お前には安全である義務があるって」
ルークの言っている事は正論で、イオンには自らを守るすべがない…わけではないが、ダアト式譜術は医者に止められている。
それに、もし怪我の一つでもすれば、その責任をルークやカイルやティアに負わなくてはならない可能性だってあるのだ。
「…わかりました」
「悪いな、イオン。お前だって行きたいんだろうけど…」
「いえ、ルークの言っている事は正論ですから。でも、怪我しないで下さいね」
イオンが心配そうにそう言うと、ルークはにこっと笑ってイオンの頭を撫でた。
「ティア、お前はイオンの護衛を頼む」
「え?」
「"え?"って当たり前だろ。イオン一人ここに残してくわけにはいかないし、お前は教団の人間なんだから」
それともまさかイオン一人を置いてくなんて言わないよな?という含みを感じ、ティアは慌てて頷いた。
「はい、決定。長老、案内は?」
ソーサラーリングを長老に返し訊くと、長老は一匹のチーグルを呼んだ。
「こやつが森を燃やしたチーグルじゃ。案内にはこやつを付ける」
そう言うと長老はその子チーグルにリングを渡した。
「ミュウですの!よろしくお願いしますですの!!」
うぜぇ…
ルークはそう思いながら他の人を見た。
カイルはあまり表情を動かしてないが内心ウザイと思ってるのがわかる(伊達にジェイドと"旅"をしていたわけではない)
イオンは微笑ましいとばかりにこにことしており、ティアは「可愛いっ////」と目をハートにしていた。
「あーはいはい、よろしく。じゃあ行くぞ」
「はいですのー!」
やっぱうぜぇ~
場所わかるし、置いてっちゃ駄目かな…と思いながらルークは歩き出す。
カイルがその後に続き、ミュウは何故かルークを気に入ったようでルークの肩に乗っている(カイルは無礼なっ!と思いつつ魔物に無礼と言って通用するのか悩んでいた)
「…絶対に変えてみせる」
「ルーク様、何かおっしゃいましたか?」
「いや、何も」
ルークは笑いながら否定しつつも、今度こそ犠牲にさせないと心の中で深く決意した。



----あとがき--------------------------
フリルクが読みたいよぉ~!!
カイルをアスランのイメージ(脳内Only)で書いてたせいで読みたくなった…けどマイナーだからあまりなくてショック…
誰か書いて下さいっ!!(切実

拍手[4回]


「イオン!」
いきなり走り出したルークにぎょっとしながら、カイルは慌ててその後を追う。
ティアもカイルに続き、追い付くと既に緑の髪の少年の周りにいた魔物たちは消え失せていた。
「怪我はないか、イオン…」
「貴方は昨日お会いした…?」
「ルークだよ。こっちはカイル」
にこっと笑い、ルークが自己紹介すると、イオンは嬉しそうに微笑んだ。
「ルーク、ですか。古語で<聖なる焔>…良い名前ですね。助けて下さってありがとうございます」
そう言って、イオンは頭を下げるとカイルの方を見た。
「貴方は…昨日はいらっしゃいませんでしたよね?」
「はい」
「こいつ、昨日は具合が悪くてさ。宿で休んでたんだ」
「そうですか。もう大丈夫なんですか?」
「えぇ」
心配そうに見られてカイルは安心させる為に微笑みながら頷く。
そうすると、イオンはホッとしたように相槌を打った。
「それで、そちらの方は…?」
「申し遅れました。私は神託の盾騎士団モース大詠師旗下情報部第一小隊所属、ティア・グランツ響長であります」
慌ててティアは頭を下げる。
「貴女が…ヴァンの妹ですね?」
イオンの言葉にルークとカイルは驚く(ルークはフリだが)
「ヴァン謡将の妹君だと!?ならば何故屋敷で襲う必要があったのだ!」
「襲う?それはどういう事ですか、ティア」
カイルの言葉の内容に驚いてイオンはティアに視線を向けるが、ティアは「身内の問題ですので…」と言葉を濁した。
「だから、身内の問題ならば何故屋敷を襲う必要があったのだと私は聞いているんだ、ティア・グランツ!」
「だから、身内の問題だと言ってるでしょう!貴方には関係ないわ!」
カイルの怒気に怯みながらもティアは強気で理由を話す事を拒否する。
「関係ない?何を馬鹿な事を言っている。貴様のせいで我らはこんな所にいるのだぞ」
「それは…悪かったと思ってるわ。だから送ると言ってるでしょう?」
「そんな事は必要ない。それよりも…」
「カイル」
更に言い募ろうとするカイルにルークはイオンの方を見ながら呼んだ。
カイルははっとしたように止まり、イオンに頭を下げる。
「御前で見苦しいものを見せてしまい、申し訳ありません、導師イオン」
ルーク様も…と声には出さずカイルは謝る。
マルクトの地で身分がわかるような尊称をつけるわけにはいかない(髪と目の色でわかる人間にはわかってしまうだろうが)
「いえ、構いません。それより貴方々は何故ここに?」
「お前こそ何で一人でこんなとこいんだよ。導師守護役はどうしたんだ?」
「ちょっとルーク!貴方、イオン様に向かって…」
「それはこちらの台詞だ、女。犯罪者の分際で話しかけるな」
またもや一触即発になりそうな雰囲気に慌ててイオンは「ティア、僕はその方が嬉しいので構いません!」と教団員であるティアの方を止めた。
「イオン様がそうおっしゃるなら…」
ティアは不満そうに頷くとルークとカイルを睨みつけた。
ルークは苦笑し、カイルは見下す。
「僕が何故ここにいるかでしたね。実は草食であるチーグルが何故食料を盗むのか気になってしまって…。導師守護役にも反対されてしまったのですが、どうしても気になったんです」
「なら、俺と一緒だな!」
「え?」
「俺もさ、カイルに反対されたんだけど気になってしょうがなくてさ。無理言って来たんだ♪」
にっと悪戯が成功した子供ようなルークの笑顔にイオンは一瞬驚いた後「同じですね!」とルークと同じような笑顔で笑った。
「でも、護衛なしは駄目だぜ、イオン。俺みたいに我が儘でも命令でも何をしてでも連れてくるべきだ。お前は導師で教団のトップで安全でいる義務があるんだから」
「そうですね…そうするべきでした」
イオンはルークの言いたい事がわかり、しっかり頷く。
ルークはそんなイオンに優しく微笑んだ。
「でさ、お前一人じゃ危険だし、帰してもまた来る気だろ?なら、俺たちと一緒に来ないか?」
「いいんですか!」
「ルーク!無責任よ。イオン様に何かあったらどうする気?」
「じゃあティアはイオンに一人で帰れと言うのか?それともお前が送る?」
「…」
ティアは悔しそうに唇を噛み締めた。
ここまで来れたのはカイルが魔物を一人で倒してくれたからであり(ルークは「貴方様を戦わせるわけには参りません」とカイルに言われて、自分が戦ったらカイルの責任になる事がわかってるので戦わなかった)自分一人ではイオンを守りきる自信がないからだ。
「…じゃあ決まりだ。悪い、カイル。負担が増えて大変だと思うが頼めるか?」
「勿論です。何がなんでもお二人をお守りします」
カイルはそう言って柔らかく微笑むと「では参りましょうか」と再び歩み始めた。


----あとがき--------------------------
これ読むだけで僕があんましティア好きじゃないのわかるなぁ…
こんまま行けば制裁話になりそうな予感☆
どこまで続くかなぁ?

拍手[5回]


「――ィル、カィル、カイル!!!」
揺り起こされて反射的に手元にあった剣の柄を握り、上体を起こすとそこには心配そうなルークの姿。
慌てて柄から手を放し、起き上がる。
「ご無事ですか、ルーク様!」
「俺は大丈夫だよ。お前の方こそ大丈夫なのか?」
ルークの答えにホッとしつつもカイルは自分の格好を見る。
着ていたはずの鎧は何故か見当たらないが、剣はあったのでカイルは少し安堵する。
痛みも感じないし、怪我の心配もないようだ。
「大丈夫です。ご心配いただきありがとうございます。…ところでお訊きしてもよろしいですか?」
「あぁ…って言っても聞きたい事ってここがどこか、と状況についてだよな?」
「えぇ、そうです。誠に申し訳ないんですが、お教えいただけますか?」
ルークは頷いて、まず何故自分たちがここにいるのか、その経緯を話し始めた。
ルークによれば、襲撃犯の名前をティアと言い、(分かりきった事だったが)ヴァンを狙っての犯行だったらしい。
ティアは第七譜術士でそれ故にルークと擬似超振動を起こしてしまい、飛ばされてしまったのだとか…
ルークとティアはタタル渓谷に飛ばされ、夜は魔物が多くて危険だからとティアの提案で川沿いに歩いたのだと言う(逆に危険だとカイルは内心激怒した。ルークたちが飛ばされたのはセレニアの花畑だ。一晩、辺りを見渡せるそこで夜を明かし、朝移動すべきだ)
カイルは入り口辺りに倒れていたらしい。
その時には既に鎧は着ておらず、どんなに揺さ振っても起きなかったとか…
ルークとカイルは、超振動を起こした当事者ではなかったから再構成される時に影響(鎧構成失敗と音素の揺れの影響による睡眠)が出たのだろうと結論づけた。
そのまま留まるのは危険だったのでルークはカイルを担ぎ上げ、川を下り続けると、ちょうど水を汲みに来ていた辻馬車の男がおり、首都まで行くと言うから乗せてもらった。
そして今――
「エンゲーブ…?ってマルクトじゃないですか!」
「そうなんだ。俺もティアも土地感なかったからそんなに飛ばされたとは思ってなくて…お前をずっと担いで歩くわけにもいかなかったし…しかも、肝心の橋が『漆黒の翼』に落とされちまって…」
「そんなっ!」
カイルは真っ青になった。
超振動に巻き込まれた影響とは言え、今の今まで眠り、主人の手を煩わせて(だが、鎧がなくて結果的には良かっただろう。アレにはファブレの紋が入っているし、重い)その上辻馬車に乗らなければないないような状況(と言っても夜だったのでカイルの事がなくとも乗っていたかもしれないが、少なくともカイルが起きてれば首都がどっちの首都なのかくらいは確認しただろう)に追い込んでしまうなど騎士の端くれにもおけない。
落ち込んでいるカイルを見て、ルークは心の中で謝った。
何故なら辻馬車の行き先や引き返せなくなる事を"予め"知っていたからだ。
カイルが超振動に巻き込まれたのはかなり予想外だったが、それ以外は"以前"通り。
そうなって一番困るのはカイルだと知っていてもルークにはどうしても変えたい"未来"があったから…
「(本当にごめん、カイル)」
ルークはもう一度心の中で謝った。
「…そう、ですか。それで、そのティアという襲撃犯は今は?」
「ティアなら村を回ってるよ」
苦笑するルークにカイルは絶句する。
ルークの様子からその襲撃犯は一緒に行動してるのだとわかる。
「ありえん…」
どうやったら一緒に行動する(なんせ彼女は王族誘拐という大罪を犯したのだ)という考えが出てくるのか是非とも教えてもらいたいくらいだ。
「それよりカイル、気になってる事があるんだ」
「何がですか?」
「実はエンゲーブで食料を盗まれるという事件が続いてるらしいんだ」
「…まさかこの時期に訪れた私たちが疑われてると?」
ルークは困ったように笑った。
「うん、まぁ…一回濡れ衣を着せかけられたんだけど、誤解は解けたから平気だよ」
「ルーク様に濡れ衣を着せるとは…」
いつも冷静なカイルの怒気に話さなかった方が良かったかも…と後悔しながらもルークは話を続ける。
「で、犯人はチーグルだったんだけどさ…明日一緒にチーグルの森に行ってほしいんだ。エンゲーブは両国の食料倉庫みたいなもんだし、ほっとけないだろ?」
「それはそうですが…チーグル、ですか?彼らは草食だったと記憶してるのですが…」
カイルの尤もな問いにルークは深刻そうに頷いた。
「話によると被害に合う少し前、チーグルの森より北にある森が炎上したそうだ。おそらくそれが関係してるんだと思う」
「成る程…しかし、危険な場所にルーク様をお連れするわけにはいきません」
「わかってる!俺には無事に屋敷に帰る義務がある。だけど…」
俯いたルークにカイルは困惑する。
話を聞く限り確かに解決しなければならない問題だが、それなら調査隊を派遣して危険なら討伐隊を組むべき事であり、他国の王族であるルークのすべき事ではない。
それはルークもわかっているはずだ。
「…何故、そこまで行きたいのですか?」
「俺は…できるなら穏便に解決したいんだ。だが、討伐隊が結成されればそうもいかないだろ?」
「しかし、穏便にとは言っても相手は魔物です。話の通じる相手ではありません」
「…それでも……」
ルークの固い意志を感じ、カイルは説得を諦めた。
甘いのはわかっているが、ルークの願いは何でもできる限り叶えたいのだ…
「わかりました。ルーク様の決意には負けます。その代わり、絶対にお一人で行動なさらないで下さいね」
カイルの言葉にルークの顔がぱーっと明るくなった。
「ありがとう、カイル!!」
「る、ルーク様っ」
がばっと抱き着いてきたルークにカイルは真っ赤になり、しかし抵抗するわけにもいかず抱きしめ返すわけにもいかず…
「ルーク様…」
「あれ?カイル、顔が赤いぞ?熱でもあるのか?」
「いえ!至って健康であります!!」
「そうか?なら良いけど…」
鈍いルークに、そんなとこも可愛いなぁ…と思いながらカイルは天国のような地獄のような(もしこの事がファブレ家に勤めている者に知れれば地獄を味わう事になるだろうとカイルは悟っていた)気分を味わっていた。

ティアが戻ってきて、カイルと一悶着起こすまで後少し…

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「裏切り者、ヴァンデスデルカ!」
「ルーク様っ!お離れ下さいっ!!」
襲われそうになっているヴァンの近くにいたルークを遠ざける為にカイルはルークの元まで走った。
優先度は勿論ルークの方が高い。
彼は護衛対象であり、ずっと守ってきた大切な人物だ…ファブレ家にとっても自分個人にとっても…
それに襲撃犯の狙いはヴァン一人のようだし、ヴァンは神託の盾騎士団の総長だ、やられる事はないだろう。
問題はその被害がルークにいく事なのだ。
ルークが弱いわけではない、寧ろ驚くほど強い。
ヴァン謡将が来る時は調子が悪いのか動きが悪いが、一部を除いてだが騎士たちより強いくらいだ。
誘拐された後、初めて手合わせした時は驚いた…誘拐される前より強くなっていたからだ(当人は納得いかなそうに手を握ったり開いたりしていたが)
だが、それでももし少しでも傷がついたらと思うと…自分が許せない。
カイルがそんな事を考えている間にもヴァン謡将と襲撃犯は武器を合わせていた。
そして襲撃犯の杖がルークの方に逸れる。
ルークが慌てて構えた木刀と襲撃犯の杖がぶつかり、強い光を放った。
カイルは慌ててその光の方へと手を伸ばす…そして何かを掴んだ。
「「ルークっ」」
後ろでヴァンとガイがルークの名を呼んだのが聞こえた。
本来ならこの危険な場からルークを安全な場所へ連れ出すべきだった使用人と私念に巻き込んだヴァンにカイルは苛立ちを感じる。
だが、今はそんな場合じゃない。
「ルーク様っ!!」

そしてルーク、襲撃犯であるティア、光の中へと手を伸ばしたカイルは姿を消した。


----あとがき--------------------------
って事でカイルも一緒に飛ばされました。
どうやってエンゲーブに行こうか迷ってます……
ルークだけなら土地感ないという理由でいけるけど、カイルが一緒なら絶対行き先確認するしなぁ…
因みに今まで書く忘れてたけどカイルはアスランのイメージで書いてます。
ルーク至上で、結構強いです。
護衛が主人より弱いわけにはいかない!と猛特訓しました。
ルークも結構強いからカイルはジェイドとタメ張れるかも。

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22日にある大学に行ってきました。
心理学の講座(?)を受けてみたら眠かった…(駄目人間

学食はマジでうまかったです、バラエティーも豊富でしたし
もしかしたらこの写真だけでどこの大学なのかわかっちゃうかも…

もしわかった人はもしかしたら僕を見たかもしれません…
情報科学のところでずっとPCいじって「ここ、三年が習うとこだよ…」と呆れられた奴を見たならそれが僕です、すみません…
反省してます。


あー受験生ってめんどいよぉ~~



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目を開けた少年は驚いたように目を見開いた後、悲しそうに笑いながら「貴方々は誰ですか?」と尋ねた。


ルークが屋敷に戻ってきて約一週間が経った。
帰ってきたルークは何も覚えておらず、医者によると誘拐のショックによる記憶喪失らしい。
多くの者はその事に嘆き、悲しんだが、この一週間でそれは好意に変わった。
記憶を失ったルークは以前のような子供らしくない王族としての態度はとらず、幼子のようによく中庭で身体を動かしていた。
最初は誰しもその態度に顔をしかめたが、今ではそのような事はない。
始めはルーク付きのメイドからだった。
以前と同じように、朝起こしに行くと「ありがとう」と笑顔付きで礼を言われたのだ。
メイドからしてみればこれは当たり前の事であり、礼を言われる事ではない。
以前の"ルーク"もそれを当たり前としていて礼など言われた事がなかった。
なのでメイドは「礼など必要ありません」と事務的に答えた。
そうするとルークは困ったような顔で「君にとっては仕事かもしれないけど本当にありがたいと思ったから言ったんだ。だから言葉くらい受け取ってほしいんだ…」と言った。
メイドは少し考えた後「では、礼には及びません…でご容赦下さい。それ以外どう答えたら良いか…」と途切れ途切れ言うとルークは嬉しそうに笑って頷いた。
その笑顔と言ったら…以前の"ルーク"は綺麗な顔をしてるというのに滅多に笑わず、そればかりか眉間に皺を寄せて仏頂面ばかりしていた…のに対して今のこの笑顔。
かわいらしい顔が喜びに溢れ、見ている方が幸せになれるような笑顔だ。
メイドは少し頬を赤く染め、笑みを零すと「では、失礼します」と部屋を出た。
それからそのメイドから他のメイドに、騎士に、料理人にまで伝わり、ルークの話で持ち切りになった。
その笑顔が見たいが為にルーク付きのメイドや護衛に立候補する人間が絶えず、ラムダスはかなり困ったくらいだ。
今では「以前のルーク様は…」ではなく「以前のルーク様より…」と親しまれるようになったほどだ(本人は複雑そうだったが)

「なぁ…」
「あ、ルーク様。どうなさいました?」
「お前、"俺"が誘拐された後に配置された騎士だよな?名前は何て言うんだ?」
「カイルと申します、ルーク様」
「!…そうか。なぁ、カイル…稽古に付き合ってもらえないかな?ガイは忙しそうだし…父上には俺から言うからさ!」
ルークの言葉に驚きつつ、断る理由がなかったし、何より誘ってもらえた事が嬉しかったカイルは頷いた。
公爵は今、屋敷の中にいないので了承を取るなら執事長であるラムダスにだろう。
カイルはルークにそう告げると「じゃあ、一緒にラムダスのとこまで行こう!」と窓際に置いてあった木刀を手に取り、部屋から飛び出る。
カイルはその様子を微笑ましそうに見ながらルークの後についてラムダスのところまで行くのであった。



------あとがき-------------------------
わかりにくいかもしれませんが、ルーク逆行です。
で、今回のサブメインはお分かりの通りカイルです。
もし続くような事があれば白光騎士(カイル)×ルークになると思います(CP色少ないと思うけど…)
ってか僕ってオリキャラ苦手だったんですけど、矛盾しない条件下のオリキャラならいけると判明。
自分でもびっくりですよ……
ソフィスは最初のメイドさんです。
あんま出なそう…
続くか不明

拍手[2回]


外殻大地を降下させた後、俺は部屋の中に篭りっぱなしだった。
メイドや騎士たちの嫌悪の混ざった視線を受けたくなかったし、屋敷の中にもいたくなかった。
だってここは"ルーク"の場所で俺の居て良い場所じゃない。
だけど、俺には行く場所なんてなくて…結局誰にも会わずにすむ部屋の中に篭った。
勿論、一日中篭っていたら身体が鈍るから夜に人目のつかない場所で剣の素振りはやってたけど…。
そんな中、変わった奴が二人いた。
一人はメイドで、皆が気味悪がってやりたがらない俺の世話(食事を運んできたり、シーツを取り替えたりとか)を毎日欠かさずやるだけでなく、以前と変わらない態度で「ルーク様のお好きな紅茶をお持ちしました」とか躊躇いなく話しかけてきたりとかした(ラムダスでさえ躊躇するのに)
もう一人は白光騎士団のうちの一人。
聞いた話によると誘拐された"後の俺"の護衛をずっと勤めてきたらしい(気付かなかった…)そいつは戸惑っている他の騎士たちには目もくれず、部屋に篭っている俺に「お暇でしたら是非、お手合わせ願えませんか?」と申し出てきた。
その時は断ったけど、夜中に素振りをしてるのを見られて、それ以降から一緒にするようになった。
屋敷にいた約一月。
俺にとって彼らが支えだった。
だからだろうか…?
こんなにも無性に会いたいと思うのは…

もう遅いけど…

さよなら…もう一度会いたかった…カイル、ソフィス…



---------------------あとがき----------
久々のTOAです
ルークの語り、ローレライ開放時
仲間の事が出なかったのはきちんと別れをしたから。
で、心残りが話の二人…ゲームでいましたよね、「ルーク様をお慕いしておりますから」みたいな事言ってたメイドさんと「レプリカって言っても普通だしなぁ」みたいな事言ってた白光騎士!
名前は勝手に捏造
騎士の方は『カイル』メイドは『ソフィス』
続きは書くかどうか不明……


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ネウロ、アニメ化決定~!!
ちょっとびっくり…だってあれって結構グロいとこあるしSMだしィ……
OPとかどうなるんでしょうかね??
僕的にはアリプロの『人生美味礼讃』がいいんだけどなぁ…
歌詞がすっごくネウロに合ってるんですよ!マジで。
ニコ堂とかのFLUSHですっごいのあるんで是非見て下さい、オススメです。
声は誰になるんでしょうか…?
ヤコは…川上とも子さんとか?ネウロは想像つかないなぁ…



↓ブリーチ
一護…かっこえぇよ、アンタ!!
そして織姫…怖がっちゃダメだよ、せっかく迎えに来てくれたのにそれは酷いと思うぜ?ルキアに嫉妬する気持ちはわからんでもないが…一護ってば罪づくりだね☆
ってか、何であんなに仮面長持ちしてんだろう…?一回死んだからかなぁ??
確かに一護は実戦で強くなる派だけど…
次回でウルキオラが出てきたりして(笑

↓ネウロ
ヤコが更に人間離れしちゃったよ、ぉい…
ネウロもヤコが洗脳されちゃったの見てちょっとびっくり。
結構ヤコをアテにしてたとこあるし、信頼もしてたみたいだからなぁ…
どう出るつもりなんだろう?もう食べ物じゃつれないしね。
次回が気になります
因みにネウロのCPは笹ヤコが好きです。
ネウヤコや吾ヤコも好きですけど、なんか二人とも片思いで終わりそうだし…
―――――――――
「あっ!笹塚さん!!」
「…ヤコちゃんか」
聞き覚えのある声に振り向いてみると、そこにはやはりヤコが立っていた。
学生鞄を持っており、例の助手がいないところからしてどうやら学校帰りらしい。
「偶然ですね!」
「そうだな…まぁ、君はよく事件に首を突っ込むから久しぶり、ではないけどな」
「あはは…一応成り行きなんですけどね、一応…」
「…成り行き、か?…まぁ、いいけど。ヤコちゃん、何度も言ってるけど危ないから止めた方が良いと思う」
実際、ヤコは何度も死にそうになった事がある…何故か犯人がその度狂うのだが
笹塚としてはヤコにすっぱり探偵業から縁を切ってもらい、あの怪しい助手とも関わってほしくないのだが…
(別にヤコに探偵の才能がないとは思っていない。彼女の推理―実際はネウロだが―は今のところ間違った事はないし、肝が据わっている…)
「あはは…それができたら…(ボソッ」
しかし、それは現実(ネウロ)的にも気持ち的にも無理だ。
「ん?なんか言ったか?」
「いえいえいえ!!なんでもないです、マジで!!!」
「…そうか?」
「はいっ!」
――――――――――(笹ヤコ)
みたいなやり取りを会うたんびにしてる二人が良いな…

↓アイシー
「男に目覚めた」発言キターーー!!
セナが男にはしってるのは僕ら腐女子の脳内だけだよ(笑
ってかつまり陸セナですか、このヤロー
公式じゃセナ鈴でしょ…嫌いじゃないんだけどなんだかなぁ…
それにしても氷室さんってマネージャーさん美人でしたね
美人さん大好きv
―――――――――
「セナ…」
呼ばれて振り向いてみるとそこには…
「あ…筧くん…」
何故か筧が立っていた。
アメフト一筋の筧が練習もせずにお台場にしかも一人で。
「さっきの女とどういう関係なんだ?」
「へ?さっきの女って…??」
「…ヴィーナスフォートのカフェで一緒にいた女だ!」
真剣な表情で肩を掴む筧にセナは驚きつつも答えた。
「えっと…白秋ってわかるよね?」
「…西部と次に戦うとこだろ」
「うん、そこのマネージャーさん。話があるって呼び出されたんだ…陸も一緒に」
「陸?…あぁ、西部のRBか。そうか、あいつとね…それで?」
陸、と仲間でもないのに幼馴染というだけで呼び捨てにされる陸に嫉妬心を抱きながら、急かすように筧は続きを促す。
「それで…なんか白秋戦、途中で棄権しろって…」
「は?」
目が点になった。
あのセナがお台場のカフェで見た事もない年頃の女子と話していたのでデートかと思い、セナに問い詰めてみればその女子は白秋のマネージャーで、実は他にも呼び出してて、しかも泥門と西部に棄権と言った、だと?
「その後すぐにマルコさんたちも居合わせたんだけど…」
そこまで聞いてようやく筧はホッと肩の力を抜いた。
「…変なマネージャーだな」
「なんか…これ以上、壊れた選手を見たくないって……」
「ん?…あぁ、あいつか…」
言われて筧は白秋にいたあのデカブツを思い出す。
筧や水町たちの慎重と同じくらいかそれ以上の長身で大田原や進みたいな筋肉バカっぽい…でも実は冷静だったりする男。
確かに彼にかかれば誰だって粉々だろう。
「そういえば…筧くんはどうしてここに?」
「うっ」
まさか君をデートに誘うための下見、とは言えずに筧は返答に困ったとさ

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