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本能の赴くままに日記や小説を書いています。
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「私が君たちのやろうとしていた事を知っていたとは言え、わざわざ言いに来たという事は何かあるのだろう?」
「…えぇ。貴方がた軍としては俺を手放したくないでしょう?」
「そうだな。なんせ、初めて人体錬成に成功した錬金術師だ。野放しにもできまい。」
「だから、交渉に来ました。軍に入る代わりにお咎め無しと弟に手出ししない事を約束して下さい。」
「私は別に良いのだがね。しかし、問答無用で君たちを捕まえる事もできるのだよ?」
「…それなら国外逃亡でも謀りますよ。ちょうどシンに知り合いがいますし。特務程度に俺たちが捕まえられると思います?」
「思わないな。まぁ、良い。君が軍に入ってくれるなら問題はないからね。」
「あ、それからもう一つ…」
「何だね?」
「俺はロイ・マスタングの下以外に着くつもりはありませんから。そのつもりで。」
「何故だね?」
「…どうせなら恩返しをしたいんです。借りっ放しじゃ錬金術師の名が廃るっ!!」



「だから、公然の秘密なんだ。それからもう一つ。アルを大学にやりたくてさ。金が必要なんだよ。あいつ、医者目指しててさぁ。…ってなわけで俺の都合だから大尉が気にする必要はないよ。」
エドワードが話し終えると(恩返しについては話していない)それでも何か察したホークアイは「そうなの…」と呟いて少し悲しそうに笑った。
ロイは正直に言うとちんぷんかんぷんなのだが察するにエドワードはしてはいけない事をして、お咎め無しにしてもらう代わりに軍に入ったという事は理解できた。
軍に入った正確な理由としては国家錬金術師じゃ軍内での行動が制限されてしまう為でもあったのだが、それを話してしまうと気にしてしまうだろうから、とエドワードはその理由は言わずにいておいたが。
「…そうか。君も大変なようだな。では、これからよろしく頼むよ。」
ロイはそう言うと手を差し出した。
それにエドワードは右手で応える。
昔は生身で応えたかった為、失礼ながらも(喧嘩を売る意味である)左手で応じていたが、これからは右手で応じても相手に不快な感情などを抱かせなくて済むと思うと嬉しい限りだ。
「君がいてくれれば錬金術に関する書類がどうにかできそうで助かるよ。」
実はそれも理由だったのでエドワードは苦笑いする。
軍属なだけでは出来ない事だ。
「今日から仕事に入るのかい?」
「いや…いえ、今日は顔見せだけです。」
「敬語じゃなくても良いのに…」
「では、お言葉に甘えて仕事の時のみとさせていただきます。」
「む…、まぁ、それが妥当か…」
ロイはそれでも不満があるのか、顔をしかめている。
表情をつくるのに長けていた男とは思えないくらい顔に感情が現れているのを見て、エドワードは内心、嘆息した。
昨日からわかっていた事だが、記憶のないロイは素直すぎる。
あの厭味の応酬になれていたエドワードとしては物足りない。
「では、今日はもう帰宅するのかね?」
「えぇ。ここに住むのを決めたのもいきなりでしたから今日は左官以上に国から提供される住宅を見て回ろうと思いまして…」
正直、アパートとかでも良いのだが、そうも言っていられないらしい。
まぁ、ロックベル家に置いてある錬金術関連の本をどうにかしろと言われていたところだし、アルも養生が終わったら一緒に住む事になるだろうから良いのだが…
「それなら私の家に住めば良い。よく知らんが無駄に大きい家でね。部屋も余っているようだし…」
「…記憶が戻った時、困るのは貴方ですよ?俺は弟と住むつもりですし…。それに、そんな事して貴方と噂になるのは御免です。」
「噂?」
「前にエドワード君…エルリック中佐と准将とが噂になった事がありまして…」
ホークアイが少し言いづらそうに眉をひそめながら言うとエドワードが「今まで通りで良いよ。」と苦笑しながら言う。
「なら、私も仕事の時だけにするわね。」とホークアイも笑ったので「じゃあ、今は俺、仕事中じゃないからいつも通りにしてよ。」とエドワードもにこやかに笑った。
「…じゃあ、私にも普段通りにしてくれたって…」とロイがブツブツ言うのを無視して、ホークアイが言葉を続ける。
「その時にエドワード君は准将のファンの方々から嫌がらせを受けたそうでして…」
「…モテる分には良いが、それは許しがたいな…。」
綺麗な顔をしてるから半分は妬みも入っているかもしれない。
それ以前に彼でなければ噂にすらならなかっただろうとロイは苦笑した。
「…でも、正直なところエドワード君には准将の護衛も兼ねてほしいのよね。」
「今は前にも増して無能だしね。」
無能は私の代名詞か…と落ち込むロイをよそにホークアイは少し考え込むとエドワードに向き直した。
「エドワード君。」
「は、はいっ」
ホークアイの真剣な表情にエドワードは畏まる。
「私としてはひっじょう~に不本意なんだけど、この無能を警護するには側にいないといけないの。」
「ソウデスネ。」
エドワードはホークアイの砕けた口調に度肝を抜かれながらも律義に返事をする。
「でも、一緒に住むのは後見人としての立場を入れても、貴方が未成年だという事を入れても難しい事だと思うの。」
「ってか、ソレは断固拒否!!」
「えぇ、私も認めないから安心して。(エドワード君と一つ屋根の下vなんて許すわけないじゃない!)だけど側にいなくちゃ警護ができない。」
「うん。」
「そこでね、准将の隣の借家が空いてるからそこに住んでもらえないかしら?」
ホークアイの言葉に2人は目を瞠る。
そして、1人は嬉しそうに、1人は嫌そうに顔を歪めた。
「うん、それが良い!そうしてくれたまえ。明日から使えるよう手配しておこう。」

「勿論、記憶が戻ったら引越しちゃって構わないわ。」
にこにこと上機嫌になった上司を尻目にホークアイは当たり前の事のように言う。
エドワードもそれを当たり前の事のように頷いた。


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