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本能の赴くままに日記や小説を書いています。
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誰もいないのを確認してルークの腕を優しく掴む。
そして、手首に指を当て脈を計る。
それは彼が瘴気中和した次の日から続いている習慣だった。

「俺はジェイドが嫌いだよ。」

一瞬、何を言われたのかわからなかった。
「そうですか」とどうでも良さそうな声音で返事を返すのに少し間が空く。
だけど、この子は気付いただろう。
目が揺らでしまったのを…人の事には聡い子だから。

「あぁ、嫌いだ。だから、もう俺に関わるな。」

それは死刑宣告に近い言葉だった。
『構うな』ではなく『関わるな』…彼に関する事…つまり、私が夜中調べている音素乖離の研究から手を引けと言う意味だ。
しかし、ルークにとっては救いの言葉のつもりだったのだろう。
私が睡眠時間を削ってまで書物を漁ってる事に気付いているようだったから。
全く…
馬鹿だ、馬鹿だとは思っていたがここまで馬鹿だったとは…
自分はお前を嫌うからお前も自分を嫌え、と言っているのだろうけど、人の心(私に心があるかはともかく)はそう簡単に出来ていない。
それに、真顔で嘘を付けるようになったのはある意味喜ばしいが、嫌いと言う度に私より傷付いた目をしている事に気付いていないのだろうか?

「それは無理です。」

「私は貴方が好きですから。」

にっこり微笑んでルークの腕を掴んでいる手に力を込める。
すると、彼の目が驚愕に開かれた。

「…絶望をわざわざ知る必要はない。」

小さく呟かれた言葉は私の耳にしっかり届いた。
やはり知っていましたか…。
私が貴方を救う術を探し、見つけられない度に絶望を繰り返している事を…
だが、それでも止められるはずがない。
私は貴方の生を諦める事など、もう、出来ない……

「諦めませんよ。貴方を諦められるはずがない…」

「無理だ。」

「決め付けないで下さい。私はまだ絶望しきっていない。」

そうだ。
まだ、絶望しきっていない…まだ、ルークは生きてここにいる。

「私が絶望しきってしまうのは私の精神が死ぬ時ですよ。」

「死ぬって…」

「貴方が死ぬ時が私の死ぬ時です。」

本当は肉体の死も迎えたいのだが、それは貴方が救った…そして救うだろうこの世界を否定するように思えて出来ない。
しかし、私の精神は彼が消える時にきっと共に消えるか狂うかするだろう。

「なっ…俺はお前が嫌いだって言っただろ!ジェイドは自分を嫌ってる奴の為に死ぬつもりかっ!!」

あぁ…
また、傷付いてしまった。
だが、貴方が"嫌い"なんて言ったのは私が最初で最後かもしれないと思うと"嫌い"と言う言葉さえ愛しく思えそうだ。
貴方自身が傷付いてまで私に"嫌い"と言ってくれるのが嬉しい。

「えぇ。貴方は私を嫌いでも、私は貴方が好きですから。」

貴方には私の言葉が残酷に聞こえるでしょうね。
でも、きっと今しか言えない。

「止めろ…」

「嫌です。私は生きている限り、貴方が生きられる方法を探しますよ。」

貴方の死は私の死と同義語。

「貴方が死ぬなら私も一緒に死にましょう。それが認められないなら止めないで下さい。私は貴方と生きる道を私の為に探しているんですから」

矛盾しているのは承知している。
貴方が道連れなんて望んでないのも…
あぁ、だけど

「っ大嫌いだ、お前なんて!!!」

「好きです、ルーク。愛してます。」

貴方が愛しい。
貴方の喪失に私は堪えられない。
あぁ、私は既にレムの塔の時点で、どこかが壊れてしまったんだろう。
貴方に死を宣告した時点で私は貴方の喪失を感じ取って、狂ってしまったのだ。

「嫌われても、恨まれても良い。それでも私は貴方が好きです。」

何故だろう…
私の目には貴方しか映っていない。
しかし、好都合かもしれませんね。
私の世界にルーク、貴方以外何もいらないのですから。

「好きです」

そう言って抱きしめた身体は震えていた。

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「俺はジェイドが嫌いだよ。」

自分の腕を掴んで、脈を計っているジェイドにそう言うと一瞬の沈黙の後「そうですか」とどうでも良さそうな声音で返事を返してきた。
表情もいつもと変わりない。
だけど、目だけが揺らだのを俺は見た。

「あぁ、嫌いだ。だから、もう俺に関わるな。」

俺に関する事から手を引けと言う意味も込めて言い放つ。
ジェイドだって自分を嫌ってる奴の面倒を見るなんて御免だろ?
だからもう、お前が睡眠時間を削ってまで探す必要はないんだ。

「それは無理です。」

「私は貴方が好きですから。」

にっこり笑ったジェイドはそう言って俺の腕を掴んでいる手に力を込めた。
何故だろう…
ジェイドは自分を嫌いだと言う奴にまで好きと言えるお人よしではなかったはずだ。
お前はもう…

「…絶望をわざわざ知る必要はない。」

呟いた言葉はしっかりジェイドに届いたらしい。
笑顔に凄みが増した。

「諦めませんよ。貴方を諦められるはずがない…」

「無理だ。」

「決め付けないで下さい。私はまだ絶望しきっていない。」

絶望しきっていない…ってお前はこれ以上絶望してどうするつもりだ…
寝るのも惜しんでお前が音素乖離を防ぐ方法を探しているのを俺は知ってる。
あのジェイドが、僅かな可能性に縋って昔自分が書いた本などをひっくり返しているのを知っている。
そんなの記憶力の良いジェイドなら全て覚えているだろうに、
それでも何か見つけられないかと。
…ジェイドなら時間に余裕があって、場所も研究所か何かで、気持ちにゆとりがあればいつか見つけられるだろう。
だけど今は無理だ。
今の状況では見つけられない。

「私が絶望しきってしまうのは私の精神が死ぬ時ですよ。」

「死ぬって…」

「貴方が死ぬ時が私の死ぬ時です。」

「なっ…俺はお前が嫌いだって言っただろ!ジェイドは自分を嫌ってる奴の為に死ぬつもりかっ!!」

「えぇ。貴方は私を嫌いでも、私は貴方が好きですから。」

何でそんな事を言うんだ。
ジェイドも俺を嫌えば良いのに--嫌いになって、止めろよ自分を虐めるのは--
諦めろよ、俺はもう消えるんだ。
音素乖離は止められない…それは俺自身がよくわかってる。
だからお前は無理しなくていいんだ…

「止めろ…」

「嫌です。私は生きてる限り、貴方が生きられる方法を探します。」

何でなんだ…
どうしてこの男は自分から辛い道を進もうとするんだ…
お前は面倒事が嫌いで避けられる面倒は避けてきたじゃないか。
もし、死ねと言った事に責任を感じているならそれは全く必要のない事だ。
俺はどちらにしろあそこで朽ちるつもりだったのだから。
それなのに今生きていられる。
それで、充分じゃないか。

「貴方が死ぬなら私も一緒に死にましょう。それが認められないなら止めないで下さい。私は貴方と生きる道を私の為に探しているんですから」

止めたら一緒に死んで止めなくても俺が消えたら精神は死ぬって、どっちにしろ死ぬじゃねぇか
俺は道連れなんていらない…

「っ大嫌いだ、お前なんて!!!」

「好きです、ルーク。愛してます。」

あぁ、この男はどこか壊れてしまったんだ
俺のせいで
だって、この男がそんな感情を持っていたとしても、ソレを俺に向けたとしても、こいつはソレを相手に伝えないだろうから。

「嫌われても、恨まれても良い。それでも私は貴方が好きです。」

壊れてしまった…
こいつの目には暗い光しか映っていない。
迷い子のような目をしていたのに、塗り潰されてしまった。

「好きです」

そう言って俺を抱きしめたジェイドは意外と温かかった。

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「ルーク」
「ん?」
「好きです。愛してます。」
この陰険眼鏡
何の嫌がらせだ…っ
―皆の心が一つになった瞬間であった

「じぇ…ジェイド?いきなり、どういうつもりなんだ??」
言われた張本人であるルークがありったけの勇気を振り絞ってジェイドにそう尋ねた。
その顔はこの場にいる誰よりも青い…
「どういうつもりかと訊かれましてもねぇ…自分に正直になっただけですが?」
「あぁ!俺を虐めたいっつー欲求に?」
悲しいが今はそれよりそうであって欲しいという気持ちの方が断然強い。
周りのルークが言った理由なら納得出来る!とジェイドの返答を待った。
だが、人生はそう甘くない……
「いやですねぇ。好きだという気持ちに決まってるじゃないですかぁ~。」
ルークの青い顔から更に血の気が引いた。
ティアはジェイドが当たり前でしょう、と言った瞬間倒れた。
ナタリアはいつも天然ぶりを発揮して「そういう気持ちは大事ですわ」と見当違いな言葉を口にする。
「たっ大佐ぁ~、冗談ですよねぇ~??」
アニスは場を和ませるように甘ったるい声で縋る気持ちでジェイドに尋ねた。
しかし、ジェイドはあっさり至極真面目な顔で否定した。
「人の気持ちを冗談と決め付けるなんて、駄目ですよーアニス。」
アニスは目が虚ろになった。
ルークは既にジェイドより顔が白くなっている。
ガイも魂が抜けかけていた。
「と言う訳で、結婚して下さい、ルー…」
言いかけてバタリとジェイドは床に突っ伏した。
アニスはギャグか…?と内心首を傾げながら(状況を把握していないナタリアを除いて)誰も動けないので恐々ジェイドの肩を触ってみる。
しかし反応はない。
おかしいなぁ…と思い恐る恐るジェイドの頬を触ってみたアニスは驚きで飛び退った。
「あの大佐に熱がある!!」
そのアニスの叫び声に意識を取り戻した皆は顔を驚きと恐怖に染め、「鬼の霍乱だっ」と叫んだ。
(ルークが「オニノカクランってなんだ?」と言う問いに応えられる余裕さえガイにはなかった)

「…私は…?」
目覚めたジェイドはベットから上半身を起こし、頭痛に顔を歪めながら疲れて動けませんとばかり床で力尽きている面々を見た。
一番最初にジェイドが気が付いた事に気付いたアニスが顔を引き攣らせながらジェイドに話しかける。
「大佐ぁ……大丈夫ですかぁ?」
「大丈夫とは言いきれませんが…軍人として恥ずかしい限りです。…ところで今は昼ですよね?私は朝、起きましたか?」
「ふぇ?どういう意味ですかぁ~?」
「どうやら私は熱があっても朝はきちんと起きた揚句、呂律もしっかり回っているそうでしてね。そのせいで前に軍基地内で倒れた時に驚かれましてね。鬼の霍乱だ!!と大層な騒ぎになったそうなのですよ。」
あぁ、想像出来てしまう。
寧ろ、驚かない人がいたら見てみたい。
「…ん?倒れた時の事覚えてないのか?」
傍でその話を聞いていたルークが不思議そうに尋ねる。
「えぇ。朝、起きた事すら記憶になかったので今回もこの状況から考えて、もしや…と思いまして」
記憶にない…覚えてない……?
「良かったぁ~」
「きっと、あの時の大佐は熱でおかしくなっていたのよ!!」
「だよなぁ~!じゃなきゃ、あのジェイドがあんな事言うはずないしぃ」
「本当に良かったな、ルーク。」
ジェイドはその会話に内心首を傾げる。
熱に浮かされた時に口走った自分の言葉をピオニーに聞かされた事はあるが、普段から多少違ってもここまで安堵される言葉を吐いた事はない。
どうやら対象はルークだったようだが…
「…どんな事を言ったんですか、私は?」
答えないだろうと予想した上での言葉に皆はやはり
「知らないほうが良いですよぉ~☆」
「私も…知らない方が良いかと…」
と、ごまかされた。
まぁ、期待していなかったので「そうですか…」とそこでその会話は途切れた。


―数日後
一行はグランコクマに来ていた…

「聞いたぞ~。ジェイドが熱で倒れたんだってな♪」
心底楽しそうなピオニーの言葉に面々はついつい数日前にあった悲劇(ある意味では喜劇とも言える出来事)を思い出して顔色を悪くした。
ジェイドはそれに溜息をつき、ピオニーはにやにやと笑う。
「うんうん、お前らが顔色悪くする気持ちもわかるぞ。こいつの本音はこぇーもんな」
「――本音?」
誰かが呟いた言葉にピオニーは、ん?と首を傾げる。
「ジェイドから聞いてないのか?こいつ、熱出したら本音をペラペラと喋るんだぜ?それが恐いのなんのって。前に軍基地内で倒れた時も会話した相手にいつもの毒舌が更に酷くなった感じで毒吐いてその相手は心に酷い傷負って軍人辞めちまってさぁ。ジェイドに聞いても覚えてないっつーから近くでその会話聞いてた兵士呼び出して自分の言った内容を聞かせたら何て言ったと思う?前々からそう思ってた、なんて悪びれもせず言うんだぜ?俺は本気でその相手に同情したね。…ってお前ら顔色が…」
ルークは白目を剥いて昏倒した。
ティアとアニスがそんなルークを支えながら「ルーク、しっかりして!!気持ちはわかるけど負けちゃ駄目よっ!!」「傷は浅い…わけないよねぇ。深いどころか貫通してそうぉ…とにかく、しっかりしてよぉ、ルーク!」と叫んでいた。
ガイはその様子を尻目に抜き身の剣をジェイドに向け、「金輪際、ルークに近付くな!」と怒鳴った。
「おい、ジェイド…お前、何やった?」
「知りませんよ、聞いても答えてくれませんし。しかし、相手がルークだとは聞いていたので予想を付けていたのですが、それとも違うようですし…」
「お前は何だと思ってたんだ?」
「…てっきり『恨んで下さい』とでも言ったのかと…」
皆が挙動不審だったのは私が似合わないセリフを吐いたからだと思ったんですがねぇ…と困ったようにジェイドは呟く。
「へぇ~、お前にしては珍しいな。お前なら『恨んでくれても構いません』だろ。その言い方だと懇願してるみたいだぞ。」
「…そうですね。しかし、この様子から見ると違う言葉のようですし…」
ここまで警戒される言葉…?
「思いつかないのか?」
「はい、全く。」

知らない方が(ジェイドが行動に移したりしないだろうから)皆の平穏の為だと、ピオニーに問われても誰一人答えなかった…

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愛なんていらない…
―それでも私は
愛なんて知りたくもないっ!!
―愛を、知ってしまった…
だから、これ以上私に近付かないで下さい
―でも、貴方が側にいると安心できる
これ以上、優しさなどいりません
―貴方の優しさは温かい…でも、私にとっては毒なんです
許しもいりません
―貴方に許されてしまった今、私はどうすれば良いのかわからないんです
だから、生きて…
―その願いは消え逝く貴方にもそして私にも残酷な願いだ


…嘘です
最後の言葉以外は全部嘘です
貴方から愛が欲しい
貴方がくれる愛なら、どんなモノでも知りたい
貴方の甘ったるい蜂蜜のような毒のような優しさが欲しい
貴方からの許しが何度でも欲しい

貴方が欲しい

ただ、生きて欲しいわけじゃない
私は貴方に私の側で生きていて欲しい


貴方という存在を私に下さい

《世界より自分を選んで欲しいと言えない臆病な自分が何よりも憎い》

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失いそうになって気付いてしまった。
いや、違う…。
気付かないフリをしていただけだ。
彼が大事なのだと…

「それが死んで下さいと言った相手に思う事ですか…」
彼は生きていた。
他のレプリカ同様、消えるはずだった彼はアッシュの助けもあり、消えなかった。
だが、奇跡なんてものは起きない。
彼は今、この世界の全てが愛しいモノのように笑いながら死に向かっている。
水が綺麗だとか
空は青く広いだとか
ここは空気が綺麗だとか
そんな事を言いながら彼は精一杯、世界を感じて生きている。
死を隣に感じながら…
「何故、貴方なんですかっ…」
世界が綺麗だと言うならば、それは彼の犠牲があるからだ。
世界は残酷だから代償なしには救われてくれない。
綺麗な彼が犠牲になるからこそ世界は綺麗でそして、汚い。
「どうせ消えるなら私のようなろくでもない人間が消えれば良かったのに…」
彼は生きていた。
だが、奇跡は二度も起きない。
彼はもう音素乖離が手のつけられないところまで進んでいる。
薬を使って遅くする段階はとうに過ぎてしまった。
「貴方がいなくなる恐怖をもう一度体験しろと言うんですか。」
世界は残酷だ。
綺麗な彼がこんな汚い世界にいるのは耐えられないとばかり彼を排除する。
いや…世界は綺麗だ。(だって彼が救った世界だ。)
汚いのは私たち人間だ。
ならば世界は汚い私たちから彼を取り上げようとしているのか。
私たちには勿体ないと…
「それでも彼は生きたいと願っています。だから私から彼を取り上げないで下さい。」
私は結局、自分の事しか考えられない。
彼のように自分の身を顧みず人の為を思って行動するなど自分には到底できない。
彼は確かに生きたいと願っているが、この願いは私の為で彼の為ではない。
私が彼がいなくなるのが耐えられないだけ。
彼によって死を認識してしまった私が彼を失うのが怖いのだ。
彼が存在しなくなると思ったあの時、私の中に虚無が広がった。
人々を苦しめていた症気が消えても感動も悲しみも虚しさも喜びも怒りも何も微かにすら感じなかった。
あの時の私は色を失って、ただ、存在するだけのモノに成り下がっていた。
その後、彼が生きているとわかった時、私の世界は鮮やかに色づいた。
彼は私にとって世界になっていた。


「ルーク…」
「ん?どうしたんだ?ジェイド。」
「消えないで下さい。」
「…ジェイド?」
「お願いします。消えないで下さい。生きて下さい。貴方がいないと世界から色が消えるんです。貴方がいないと何も感じないんです。死霊使いとまで呼ばれた者がこんな事を言い出すなんて滑稽だ、と嘲笑ってくれても構いませんから…。」
「笑わないよ。」
「……」
「笑わない。」
「…はい。」
「…消えない、なんて優しい嘘、俺はつかないからな。」
「…えぇ、わかってますよ。それにそんな事言われたらその言葉に縋ってみっともない姿を晒しちゃいそうですしね。」
「ジェイドにそこまで真剣に言われると何か怖いなぁ。」
「おや~?ル~ク、どういう意味ですか?私はいつでも真剣じゃないですかv」
「どこがだよっ!」
「…今回のは本音ですよ。貴方が生きられるなら何だってしたい。それなのに、私は何も出来ない。音素乖離を止める事も…遅らせる事すら出来ない…。」
「それは…ジェイドのせいじゃないだろ。…自然の摂理だ。レプリカは第七音素だけで出来てる不安定な存在だから…」
「しかし…っ」

ルークはジェイドを見て微笑むと自分より幾分か高い位置にあるジェイドの頭を抱きしめる。
そして、ポンポンッと幼子をあやすように背中を叩いた。
「ありがとう。」
ジェイドは手でルークの背中を掴む。
力いっぱい握ったから放したらきっと皺になってるだろう。
「ありがとう。こんなに必死になってくれる人がいて、俺は幸せだな。」
必死になっても結果が伴わないなら意味がないじゃないかとは口に出せなかった。
きっと、今喋ったら涙声になるだろう、とわかっていたから。
「ジェイドが寝る間も惜しんで音素乖離を止める方法を探してるのも知ってる。鏡見てるか?隈あるんだぞ。…そんだけあんたにとって価値があるんだと思ったら嬉しくてさぁ、止めるに止められなくて…。」
ありますよ。
私にとって貴方は世界なんです。
「ありがとう、ジェイド。」
「感謝なんか、しないで下さい。」
枯れた声が出た。
「ルーク…っ」

感謝も何もいらないから生きて下さい…

ルークはただただ、ジェイドを抱きしめた。


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グレルーク↓↓↓



「久しぶり。元気みたいだな。ゴキブリ並の生命力だ。」
「えぇ。貴方が出てこない分、楽でしたよ。しかし、ゴキブリ並の生命力とは新聞で叩かれたら死ぬと言う事ですか?」
「ははっ。そんくらいで死んでくれるほど可愛くねぇじゃん、アンタら。ヘビモス以上の生命力だよ。」
「嬉しくない例えですねぇ。」
「だってアンタら、ヘビモス以上にめんどいし。預言にはこの世界は滅びるって書いてあったんだろ?それならヴァンが滅ぼそうがそんな変わんねぇじゃんか。」
「まぁ、そうですけどね。…ところでクラウン、今日はお喋りですね。」
「ん?アンタは気付いてそーだから無駄な気を張るのをやめただけだよ。」
「ふむ、そうですか。では、『ルーク』…そこを通してはいただけませんかねぇ。」
「えっ?!『ルーク』ってあの甘ったれで自己チューなお坊ちゃまのルーク?」
「レプリカの方ですわよね?」
「どうやったらあいつがこんなに強くなるわけぇ?」
「アニ~ス。少し黙っててくれませんかぁ?」
「は、はぁ~いv」
「ってか、旦那。いつから気付いてたんだ?俺がそっち側いる時は気付いてなかったよな??」
「えぇ、私とした事が先入観に捕われるなんて失態を犯してしまいました。わかったのはガイが彼以外に尽くすなんて思えないと言う理由からです。」
「ふぅ~ん。あ、そうだ。アニス。」
「ふぇ?」
「君の疑問だけど…ルークは元から強かったよ。ただ、君たちや俺とは違って優し過ぎただけだ。人を殺す事に躊躇さえ覚えなければ俺なんかよりずっと強かったんだよ…。」
「そうでしょうね。彼は軟禁されていたにも関わらず戦闘員として充分な戦力でした。普通に考えるなら軍人でもない彼が一般兵士よりも強いなどありえないのに…」
「へぇ~?反省でもしてるわけ?あのジェイドが?」
「…そうですね。らしくありませんでした。今、問題なのは貴方がルークだと言う事ではなく、貴方が敵だと言う事でしたね。」
「そーだよ。ったく、らしくねぇ事すんじゃねーっつーの!鳥肌立っちまったじゃねぇか!!」
「おや、それは失礼しましたv」
「はぁ…アンタの相手は疲れるぜ…。」
「ってかルーク。仮面外さねぇのか?いっつもうざいって言ってたじゃないか。」
「ん、そーだな。それから『ルーク』は捨てたって言ってんだろ、ガイ。」
「はいはい。」
「…話が逸れたのでもう一度言いましょう。ルーク、ガイ、見逃して下さい。」
「おいおい、ここまできて嫌がらせかよ。『ルーク』じゃねぇって言ってんだろ。」
「クラウンなんて言うのも皮肉じゃないですか。」
「『道化師』って?自分でつけたんだ。当たり前だろ。」
「…貴方たちを倒せばこの先に兄さんがいるのね?」
「あれ?ティアいたのか。喋らねぇからいないのかと思ったよ。…そうだな、いるぜ。アッシュと一緒に。」
「アッシュ?!何故アッシュがいるのです?彼は…」
「ん?ただ、俺たちが見逃しただけの話さ。ヴァンはアッシュを欲しがってたからな。」
「通して下さいっ!アッシュを…」
「あぁ、はいはい。ってな感じでティアは戦う気満々だし、ナタリアは一人で今にも飛び出しそうな勢いだし、アニスも気に食わなそうだけどジェイドはどうする?ってか、バラバラだなぁ…」
「えぇ、否定できませんね。私一人が妥協してもそれでおさまりませんし。」
「大佐っ!どう意味ですか!!」
「う~ん…旦那も大変だな。同情だけはするよ。」
「同情はいりませんから通していただけませんかねぇv私たちでは貴方がたに勝てる気がしませんし…」
「ジェイドが弱気なんて気味が悪いな。」
「弱気なわけでなく、自分を知っているだけですよ。私たちでは貴方がたに勝てない。そうでしょう?」
「んーまぁーそうかもな。ジェイド一人ならともかくなぁ…」
「まぁ!!私たちが足手まといとでも?」
「さぁね。じゃ、始めますか…」
「はぁ…交渉決裂ですか。」
「仕方ないさ。俺たちは敵だからな。」
「そーそー。世界が滅べば皆、公平だろ?俺はユリアの預言なんて興味ないけど預言通り滅んだ方が良いと思うんだよなぁ。」
「はぁ…悲しいですねぇ。」
「胡散臭いな、相変わらず。じゃ『血濡れのクラウン』参る!」
「『閃光のガイガルディア』参る。」
「お手柔らかに。私はもう歳ですからv」
「大佐、ふざけないで下さい。」
「そうですよぉ~!」


「はぁ~、この程度でヴァンを倒せるつもりだったのか。」
「チームワークもなってないし…これなら1対1の方がいいんじゃないか?」
「ふむ…貴方もそう思いますか?」
「すごく。」
「そうですか。で、また私たちを見逃すんですか?」
「見逃すって言っても殺さないだけでアンタらもう殆ど動けないだろ?」
「殆ど、ね。やはりわざとでしたか。」
「まぁね。動けるのに動けない。止められたはずのものが止められない絶望をプレゼントしようと思ってね。」「あぁ…だから彼女たちを止めなかったんですね。」
「満身創痍なのにヴァンを止めに行った馬鹿の事か?」
「えぇ。」
「当たり前だろ。無力な自分を知れば良いんだ。」
「旦那こそ、行かなくて良かったのか?あんたなら少しは持っただろうに…」
「私ですか?嫌ですよ、そんな面倒な事。少し持ったところで世界が滅びるのが決まっているなら楽な方が良いじゃないですか。それに私はそんなに世界に執着があるわけでもありませんし。」
「ふぅん…」
「ルーク、聞きたい事があるんですが…」
「クラウンだって言ってんだろ。…で、何だ?」
「貴方にはこの世界、どう見えますか?」
「はんっ、茶番だな。」
「その中でも一番滑稽なのは…」

「「「自分が世界を救えると思ってる馬鹿」」」

自惚れるのも好い加減にしろっ


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煩い、五月蝿い、うるさい、ウルサイ!!
あんたたちに何がわかるんだ。
俺を否定して拒絶して全てを押し付けて満足かよ。
俺が師匠に全てを押し付けようとしたようにあんたたちは俺に全てを押し付けただけじゃないかっ!
俺とあんたたちとどこが違うっ!!
俺の無知が罪なら、あんたたちの罪は俺が無知な事を知っていて、それでも何も教えてくれなかった事だろ。
それにあんたたちだって考えなしだったじゃないか。
俺がイオンよりアクゼリュスを優先させようとしたのはイオンに危険はないからだ。
イオンの力が目的なら命に危険はないし、寧ろ身体の弱いイオンにはショウキの充ちているとこに連れてく方が危険じゃないか。
ショウキが充ちている所で治療したって苦しめるだけだし、それなら地上に連れてけよ
だから、俺がさっさとショウキを消した方が被害者が少なくなると思ったから俺は師匠についてったんだ。
確かに自由になりたいっつー自分勝手な考えもあったけど、皆を助けたいって気持ちもちゃんとあったんだ。
俺だってちゃんと考えてたんだ。
自分で考えない人形なんかじゃない!

アッシュ、文句ばかり否定ばかりして被害者ぶってるけど、こんな風に個人行動とれるなら奪い返しにくれば良かったじゃないか。
死ぬのが怖くて俺に押し付けたくせに
預言通りならお前、死んでたんだろ?
その身代わりになった俺を否定するならお前が死んでれば良かったんだ、預言通り。

師匠を信じるのは当たり前の事じゃないか
俺に世界を教えてくれたのは師匠だけだったんだから。
自分の考えてる事を教えてくれたのは師匠だけだったんだから。
俺の事を考えてくれたのは師匠だけだったんだから…それが偽りだとしても。
偽りと知らない俺が師匠だけを信じるのは当たり前だろ?
あんたらは教えろと叫んでる俺を無視して、無知だと責めて、それでも何も大切な事を教えくれなかったんだから……

イオン、お前とミュウだけだったな…責めなかったの
ごめんな。
俺、焦ってたんだ。
お前の身体の事、知ってたのに無理させて悪かった。
それでも、知ってたなら教えてほしかった
お前だけは自分の都合とかじゃなくて俺の事考えて教えてくれなかったのはわかってるけどさ…
それから、ありがとう


「…ルーク?」
ティアが中庭から戻ってくるとルークの姿はなかった。
付きっきりだったミュウの姿もない。
ティアはその事を不審に思ったが、世間知らずのお坊ちゃまが一人で行動できるわけがない、それに外殻への行き方を知らないのだからユリアシティから出れるはずもないとほっておいた。
それが間違えだと知らずに……


「ミュウ、良かったのか?」
「はいですの!ボクはご主人様についてくですのっ!!」
「皆と敵対する事になってもか?」
「…はいですの。悲しいですけどボクはご主人様を否定した皆さんが許せないですのっ」
「…ありがとう」



そして再び出会う。
髪を染めて、仮面をつけて、破壊の力を手に入れて、アッシュが抜けた場所に立った、名を捨てたルークは。
『血濡れ』の『クラウン』として。
唯一、変わらない翠の瞳からは不器用な優しさは消えていた。



----------------------------------------
で、戦って圧勝すればいいと思う。
ジェイドあたりが「今の私たちじゃ勝てません」とか言って、撤退して。
そん時、ガイだけはクラウンがルークだって気付いて、そっち側に回ると良い。
「俺はファブレが憎いんだ。だから、お前も憎かった。それでも、お前だったから憎しみも消えはじめてたんだ。だけど、『ルーク・フォン・ファブレ』がアッシュなら俺はまだ『ルーク』が憎い。だから、俺もお前と一緒にいちゃ駄目か?」
とか言って。
ルークは「勝手にすれば」とか言って(ガイだけは迎えに来てくれたから)結局一緒にいれば良い。
その後、ジェイドも(ガイがクラウンと一緒にいるのを見て)気付いて、悩めば良いと思う。
で、ミュウとガイだけに優しい顔をするクラウンを見て嫉妬すれば良い(笑)

拍手[2回]


「ーーー約束、したからな…」

そう言った彼に皆が駆け寄る。
私も厭味の一つでも言ってやろうとルークの方に行こうとしたが身体が動かなかった。
わかってしまったからだ。
上辺だけの笑顔の裏に複雑そうな悔しそうな悲しそうな、そんな感情が隠されている事に…。
そう。
彼は『ルーク』であってルークではない。
そして、その現象は知っていたものだ。

大爆発

ルークの記憶があるからあの言葉が出てきただけで彼はルークではない。
オリジナル『ルーク』…アッシュの方だ。

ジェイドが気付いた事に気付いたのか、アッシュはジェイドに向けて苦笑する。
それは確かにルークの表情のようだった(アッシュは滅多に笑わなかったし、笑ったのはナタリアの前だけだった。)が、それはジェイドの考えを肯定する笑みだった。
きっと、ルークの記憶で自分には隠し事は通らないのだと"知って"いたのだろう。
ルークの記憶で…

ジェイドは皆から離れてルークに駆け寄る事もせず、ほほえましそうに笑った。
その裏にルークがもういない事に対しての悲しみや悔しさ、苦しみが隠されているのに気付いたのは当事者たちのみだった。



ーーージェイドは優しいよ。
その言葉に何度も救われたのに、その言葉をくれた彼はもういない


拍手[1回]


「…なぁ、ジェイド…」
「はい、何でしょうか?」
にこにこといつもと変わらぬ笑みを浮かべるジェイドをルークは困った顔で見た。
「何であんたが俺の隣で寝てるんだ?」
「何を言ってるんですか、ルーク。貴方が夜、寝ぼけて私のベットに潜り込んだのでしょう?」
ジェイドがそう言うとそう聞こえてしまうのは何故だろう?
だが、確かに昨日、部屋割りをした時、自分は窓側を希望したはずなのだが……。
「そうなのか?」
「えぇ、そうです。」
勿論、嘘である。
ルークが寝た後、ベットに潜り込んだのは寧ろジェイドの方だ。
しかも、寝ぼけてじゃないところがタチが悪い。
「んじゃ、とりあえず放してくんね?」
「何故です?まだ、皆さんが起き出す時間よりかなり早い時間ですよ。」
「何故って落ち着かねぇからそっちのベットで寝直す。」
「そちらのベットは冷たいですよ?それに、貴方がいなくなったら私が寒いじゃないですか。」
「…そういうもん?」
「そういうものです。」

悪い大人に丸め込まれた(?)子供は大人の腕の中でまた夢の中に…

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